「未来環境デザインセミナー」
−認識科学から設計科学への転回−
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日  時: 2010年1月26日(火)15:30 - 16:30
場  所: 総合地球環境学研究所 講演室 (アクセス
内 容: セミナー趣旨説明、それについてのディスカッション
【趣 旨】
人間が環境に対して及ぼすインパクトは地球環境さえ大きく改変する力をもつようになりました。地球温暖化問題に代表されるように、このインパクトは、直接に人間生活にまで跳ね返ってくるようになり、緊急の対応が求められています。一方で、環境問題は単なる技術的対応では解決できない困難な問題でもあり、文理の枠を超えたあらゆる分野の英知を結集する必要があるものです。
総合地球環境学研究所(以下、地球研)は、この問題に取り組むために、環境問題を人間「文化」の問題ととらえ、「統合知」をキーワードに、プロジェクト研究を進めてきました。その中で、「関係性」、「全体性」、「文脈性」といったキーワードが重要であることが鮮明になってきました。現在、こういった現状認識にもとづき、具体的な「処方箋」作成の方法論構築へ向けて模索をはじめています。現状の的確な把握を中心課題とする知的営みを「認識科学」と呼ぶとすれば、環境問題の解決につながる有形無形の「設計(デザイン)」のための方法論を探る「設計科学」への展開とも言い換えることができます。
ところで、工学、医学、農学、薬学、などの各分野に目を転ずると、同様な問題に直面しながらも、「経験」、「熟練」、「直観」などにもとづいて実際的な解決の実績が豊富に蓄積しているものと考えられます。私たちはこういった分野の専門家との対話を通じて多くのことを学びとりたいと考えております。また、「関係性」、「全体性」、「文脈性」は、いずれも古典的な科学的方法論が苦手としてきた問題でもあり、新たな「認識科学」の方法論確立へ向けたチャレンジにも少なからず寄与したいと考えております。このような意味で、各界の最前線でご活躍の専門家との対話を通じて、未来環境デザインのための着実な一歩を踏み出したいと考えております。
そこで、上記に関連する分野の専門家を交えた対話を通じて、環境問題解決のための「処方箋」作成の方法論を考えていくことを目的とし、連続セミナーを企画いたします。なお、本セミナーは、地球研の所員と招聘講師との対話を主たる目的とするものではありますが、一般にも公開し、広く意見交換のできる場としたいと考えています。
【お問い合わせ先】
鞍田 崇(地球研・上級研究員)
〒603-8047  京都市北区上賀茂本山457-4
総合地球環境学研究所
TEL:075-707-2382  FAX:075-707-2508
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