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第50回日本熱帯医学会大会・サテライトシンポジウム

「熱帯アジアの環境変化と感染症」プロジェクトでは、以下のシンポジウムを開催いたします。皆様のご参加をお待ちしております。

日  時: 2009年10月24日(土) 14:30−17:30(予定)
会  場:

那覇市ぶんかテンブス館3F会議室 (アクセス)

題  目:

沖縄のマラリア対策から学ぶべきこと--熱帯医学と歴史学の会話--

担  当:

門司和彦(総合地球環境学研究所教授、エコヘルスプロジェクト・リーダー)

参  加: 学会員以外でもどなたでも参加できます(無料・事前登録不要)
シンポジウム(座談会)のねらい:

大学利用機関法人・人間文化研究機構・総合地球環境学研究所は、地球環境問題に関連する様々な事象を、文理融合的・総合的に捉える研究プロジェクトを実施する機関として2001年に成立されました。「熱帯アジアの環境変化と感染症プロジェクト(the RIHN ecohealth Project)」は2008年より5年間の予定で開始され、熱帯アジアでの20世紀から今日までの疾病構造の変化(健康転換)を、その自然環境変化・社会環境変化・生活変化との関係で捉えることを目的としています。

この研究プロジェクトでは、健康転換の研究には歴史家の視点が不可欠と考え、「歴史・文献班(代表:飯島渉青山学院大学教授)」を組織し、歴史資料を中心に、長期的な時間軸のなかでマラリアや日本住血吸虫病などの対策史、その社会的意味に関する研究を進めています。ラオスなどの東南アジアを対象としていますが、歴史資料は乏しく、同時に、中国・雲南省や日本での歴史統計資料についても分析し、その手法や発見を東南アジアにも展開していきたいと考えています。その上で、疫学・熱帯医学・公衆衛生学研究者と歴史家との具体的コラボレーションの可能性を検証するのがひとつの狙いです。

研究の一環として、昨年8月に台湾でシンポジウムを開催し、今年8月に韓国International Congress of Asia Scholarsでシンポジウムを開催いたしました。

今回、第50回日本熱帯医学会大会のサテライトシンポジウムとして、「沖縄でのマラリア対策から学ぶべきこと--熱帯医学と歴史学の会話--」を企画いたしました。実際には、座談会と資料見学会を予定しております。大会初日に語られる熱帯医学会50年の歩み」を顧みながら、沖縄の健康転換の実態とそれをもたらした要因について、マラリアをきっかけにしながら、自由に話をしていただきます。それによって、今後の具体的研究のヒントが得られることを狙いとしております。

当日には、13時から沖縄県公文書館で沖縄県マラリア関係資料の閲覧・解説を企画しており、座談会における共通の話題にしたいと考えております。

座談会では、まず、八重山の歴史を、とくに民衆史の視点から掘り起こし、沖縄・八重山のマラリアの歴史に詳しい三木健氏(八重山地方史研究会会長、石垣市史副編集委員長)から、話題を提供していただき、その後、多田功氏(九州大学名誉教授)や宮城一郎氏(琉球大学名誉教授)から熱帯医学あるいはマラリア媒介蚊の生態などの視角から議論を展開していただきます。

そして、『マラリアと帝国』の著者である飯島渉氏(青山学院大学教授)から、沖縄のマラリア対策の台湾や東南アジアとの関係、また、感染症対策の社会的意味について議論を展開していただきます。

このサテライトシンポジウムでは、こうした討論を通じて、マラリア研究を軸に熱帯医学研究の今後、さらには生活者である私たち一人ひとりにとっての感染症研究の意味を多面的な視角から考えてみることにしたいと思います。(門司和彦)

予定:
13:00 那覇市ぶんかテンブス館3F会議室集合
沖縄県公文書館 の見学ツアー
(〒901-1105 沖縄県南風原町字新川148番地の3 電話:098-888-3875 )
http://www.archives.pref.okinawa.jp/riyou/(下の方に行き方が書いてありますが、モノレール「首里駅」下車、那覇バス1番「首里牧志線」に乗換え「新川営業所」下車、徒歩1分とのことです。那覇市ぶんかテンブスから行く場合、乗合でタクシーで行くのが一番、合理的なようです。2時10分ぐらいまで見学する予定です。
14:30-17:30那覇市ぶんかテンブス館3F会議室
那覇市ぶんかテンブス館管理事務所 沖縄県那覇市牧志3丁目2番10号
TEL:098-868-7810  お問い合わせ時間 9:00〜22:00
モノレール牧志駅から徒歩5分 約4−50名収容可能
座談会・発言予定者(敬称略):
三木 健(八重山地方史研究会会長、石垣市史副編集委員長)
多田 功(九州大学名誉教授)
宮城一郎(琉球大学名誉教授)
飯島 渉(青山学院大学教授)
司会進行:飯島渉(青山学院大学)・門司和彦(総合地球環境学研究所)
(会場の方々にも積極的に発言していただく予定です。)
【お問合せ】
門司和彦
(総合地球環境学研究所 教授)

総合地球環境学研究所
〒603-8047
京都市北区上賀茂本山457番地4
TEL:075-707-2215
FAX:075-707-2509
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