HOME > トピックス〈一般〉一覧:2009年 >8月14日 (開催案内)

第23回 「人と自然:環境思想セミナー」

農業が環境を破壊するとき―ユーラシア農耕史と環境」プロジェクト(略称:里プロジェクト)では、第23回「人と自然:環境思想セミナー」を下記の通り開催いたします。

  ふるってご参加ください。

詳細チラシはこちら (PDF)です。

テーマ

身体環境としての衣服

日    時 8月14日(金)  15:00-17:00
場    所 総合地球環境学研究所 講演室 ( アクセス)
話 し 手 鷲田清一さん
(哲学者・大阪大学総長)
聞 き 手 鞍田崇(総合地球環境学研究所上級研究員)
申込不要 聴講無料

【概  要】

おかげさまでこのセミナーも三年目を迎えました。環境思想と銘打ちながらも、これまでは、ことさら思想を扱うことは避けてきました。

どこかで聞いたようなフレーズをいたずらに並べるばかり、そんな通りいっぺんの思想には、正直もうウンザリ。それに、いわゆる環境を云々するわけでもないのです、ここでは。そんなものがはじめからあるわけじゃない。あるのはただ、その時々の経験の中から出てくるひと言、それだけ。それを見失わないようにすること、ただそれだけ。言葉は整理されていなくてもいい、何を感じたのか、個々人の息づかいを確かめるところから、いま本当に必要とされている思想のかたちを探ること、それが環境思想ということ、少なくともその原点ではないか――回を重ねるうちにそう思うようにもなってきました。

「環境」=「臨床」

今回の講師、哲学者の鷲田清一さんの言葉をお借りすれば、そう言えるかもしれません。鷲田さんは、日常性と乖離した従来の哲学のあり方にゆさぶりをかけ、現場に即した哲学、「臨床哲学」を提唱してこられました。

「身体と衣服の関係は、身体とそれを保護するもの、遮蔽するものとの関係ではない。衣服抜きに人間の身体は考えられない。自/他、内/外という概念枠ではとらえられないものとして、身体と衣服との関係はある。身体と衣服とのこうした関係のありようをベースとして、わたしたちと環境との関係を考えなおしてみる。」(鷲田清一 環境思想セミナーに寄せて)

わたしたちにとっていちばん身近な衣服と身体の関係に着目し、そこから環境との関わりを問い直そうというのが、今回のねらい。既成の概念枠の克服は、単に新しい言葉を持ち込むだけでなく、そもそも別なる思想のフェーズを探ることになるでしょう。

みなさまのご参加、心よりお待ちしております。

【プロフィール】
鷲田清一 WASHIDA Kiyokazu
哲学者・大阪大学総長
1949年京都市生まれ。京都大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程修了。関西大学文学部教授、大阪大学文学部教授、同学部長などを経て、2007年より現職。専攻は哲学・倫理学。メルロ=ポンティをはじめ、20世紀フランス・ドイツの現象学に関する緻密な研究をベースに、独自の身体論・モード論を手がけてきた。従来の哲学のイメージを覆すとともに、近年は「臨床哲学」の立場を提唱している。
主な著書に、『顔の現象学―見られることの権利』(講談社学術文庫)、『じぶん―この不思議な存在』(講談社現代新書)、『「哲学」と「てつがく」のあいだ』(みすず書房)、『「聴く」ことの力―臨床哲学試論』(桑原武夫学芸賞)、『臨床とことば―心理学と哲学のあわに探る臨床の知』(河合隼雄共著、以上、阪急コミュニケーションズ)、『〈弱さ〉のちから―ホスピタブルな光景』(講談社)、『「待つ」ということ』(角川選書)、『噛みきれない想い』(角川学芸出版)など多数。モード論・身体論の著書に、『モードの迷宮』(サントリー学芸賞)、『ちぐはぐな身体―ファッションって何?』(以上、ちくま学芸文庫)、『悲鳴をあげる身体』(PHP新書)、『ひとはなぜ服を着るのか』(NHKライブラリー)などがある。
(大阪大学総長室のホームページ )
¶今後の予定:
第24回/9月16日(水)
「生きているスローフード―椎葉村だより」(仮題)
飯田辰彦さん(ノンフィクション作家)
【お問い合わせ先】
鞍田 崇(地球研・上級研究員、環境思想セミナー担当)
〒603-8047  京都市北区上賀茂本山457-4
総合地球環境学研究所
TEL:075-707-2382  FAX:075-707-2508
Email:
人と自然:環境思想セミナーのホームページ

 

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