HOME > トピックス〈一般〉一覧:2013年 > 5月24日(開催報告)

第50回地球研市民セミナーが開催されました


今回は研究プロジェクト「地球環境知形成による新たなコモンズの創生と持続可能な管理」(地域環境知プロジェクト)のリーダー佐藤哲さん(地球研教授)が講演しました。

佐藤さんはまず、自身の経歴を紹介。研究の出発点では、アフリカのマラウィ湖で淡水魚類の研究を行っていたそうですが、現地の貧困などを見て、地域環境学が必要だと考えるようになったことを述べました。

そのうえで、地域環境学のキー概念である「環境アイコン」、「レジデント型研究者」、「双方向トランスレーター」、「順応型ガバナンス」などについて解説。地域環境学とは問題解決のためにダイナミックに展開する新しいタイプの知であることを語りました。

後半は、「地域環境知プロジェクト」で収集している、日本と世界各地の事例を紹介。兵庫県豊岡市での住民よ行政が一体となったコウノトリの野生復帰活動、WWWF白保サンゴ保護センターのサンゴ保護活動活から拡がった地域活性化の動きなど、「レジデント型研究者」が、地域の住民とともにさまざまなアイディアを出し合い、環境の保全だけでなく、地域がいきいきと再生急いている様子を示しました。

講演後の質疑応答では、地域が持続可能であるために、研究プロジェクトが終了した後の展開をどう考えるのかなどの質問のほか、実際にNPOで活動されている方から「専門がないことの悩み」をどう考えたらいいかなどの質問も出て、活発な議論が行われました。質疑応答には「レジデント型研究者」として豊岡のコウノトリ野生復帰活動で活躍した経歴を持つ菊池直樹さん(地球研准教授)も飛び入り参加。「熱い」佐藤さんの語りによって、白熱したセミナーとなりました。