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第47回地球研市民セミナー開催報告


今回の市民セミナーでは、研究プロジェクト「東南アジアにおける持続可能な食料供給と健康リスク管理の流域設計」プロジェクトリーダーの嘉田良平地球研教授が、「リスクコミュニケーション」をキーワードに、日々の私たちの食卓と環境がどのようにつながり、その「背景」にどのようなリスクが存在し、どう対応すればよいのかを講演しました。

まず、昨年来の放射能汚染に伴う風評被害の拡大を例に、食に関するリスク管理・リスクコミュニケーションの重要性を強調しました。次にプロジェクトのおもな調査地の一つであるフィリピンのラグナ湖周辺の事例が挙げられました。豊富な水産資源が人びとに自然の恵みを与えるいっぽう、水質汚染などの環境劣化が大きな問題となっているラグナ湖での調査からは、遠く離れた日本とフィリピンとの「食」を通じたつながりが明らかになっています。

産地偽装や感染症被害など、食の安全・安心をゆるがす問題は後を絶ちません。問われているのはリスクに対する理解と情報伝達のあり方です。日々の食卓の「背景」に当事者意識をもってかかわることの大切さを嘉田教授は訴えました。(編集室)

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写真左から、立本成文 地球研所長挨拶、鞍田崇 地球研特任准教授、嘉田良平 地球研教授


写真左から、質疑の様子、会場の様子