第44回 地球研市民セミナーが開催されました


第44回地球研市民セミナーは、地球研オープンハウス特別企画の一環として、日ごろは直接知ることができない地球研の研究活動を紹介する目的で開催しました。研究の過程や研究者自身のことをもっと知っていただくことで、地球環境学についての理解をさらに深めていただけるよう、これまでの市民セミナーとは違う構成をとりました。

地球研は地球環境学の創成を目標に掲げています。個々の学問分野だけでは、自然と人間との関係を解き明かしたり、地球規模で起こっている環境問題を解決したりすることはできません。「多分野の研究統合」の手法は、地球研研究の特徴の一つです。このことについて、谷口真人地球研教授は「地球環境学の研究活動」と題して、プロジェクト研究の事例を具体的にとりあげながら話しました。また、渡邊三津子地球研プロジェクト研究員は「人に寄り添う環境学」と題して、地球環境学の実践には数値などのデータだけではなく、じっさいに現地に生きている人びとに寄り添った視点と方法が大切であるという趣旨の話をしました。最後に谷口教授から、プロジェクトの新しい研究成果を世界と共有し議論を深めていくための国際コンソーシアムの意義と、その取り組みについて紹介しました。

また今回は、参加者がクイズに答えながらセミナーに参加できる「クイズ方式」を導入しました。私たちの研究活動をできるだけ同じ目線で共有し、考えていただこうとする試みです。そのため講演者には、参加者の方がたにも研究活動を擬似体験できる内容のクイズをつくってもらいました。当日はこうした目的がかない、「研究方法論などの硬い話題に対してもスムースに入っていけた」との感想もいただきました。(槙林啓介)

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写真左から、立本成文 地球研所長挨拶、槙林啓介 地球研プロジェクト研究員、谷口真人 地球研教授


写真左から、渡邊三津子 地球研プロジェクト研究員、質疑応答の様子、クイズの様子


会場の様子