第35回 地球研市民セミナーが開催されました


10月の市民セミナーでは、地球研・中国環境問題研究拠点が中心となって「中国の環境問題」をテーマに高見邦雄・認定NPO法人緑の地球ネットワーク事務局長をお招きしました。

まず、中国環境問題研究拠点の活動の概要について窪田順平准教授・拠点リーダーが紹介しました。話のなかでは、地球研プロジェクトの研究成果を踏まえて日中両国で本を出版したことや、プロジェクト終了後の環境問題の追跡調査の計画について触れられました。

つづいて、長年にわたる民間レベルでの植林活動を通して中国の環境問題とむきあってきた高見邦雄氏に、中国の環境問題の実態や、民間協力の役割と可能性などについてお話しいただきました。高見氏は20年近く、山西省の大同を舞台として、中国黄土高原の砂漠化に取り組んできました。黄土高原はグランドキャニオンのように裂けた大地が広がります。ここの砂漠化は雨が土を押し流すことによって起こるのです。貧困ゆえの森林破壊と砂漠化の悪循環が、村の近くで植林を行い現金収入やたきぎに供することにより、山では木が生え土を守るという良性のサイクルへと変わりつつあります。環境破壊から環境再生への転換が、民間協力によりどのように展開していくのか、今後の活動にも注目されます。(松永光平)

grayline
写真をクリックすると拡大します。

写真左から、秋道智彌 地球研副所長挨拶、窪田順平 地球研准教授、高見邦雄 認定NPO法人緑の地球ネットワーク事務局長


ディスカッションの様子(写真左)、会場の様子(写真右)