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第5回地球研国際シンポジウム
多様性の過去と未来

日    時: 2010年10月13日(水)−15日(金)
場    所: 総合地球環境学研究所 講演室  アクセス
主    催: 総合地球環境学研究所
言    語: 英語 (日本語同時通訳あり)
参    加: 下記【お問い合わせ】に記載の一般向け電話番号、もしくはメールにお問い合わせください。
【趣  旨】
自然と人間は複雑で微妙なかかわり合いを永く保ってきました。豊かな自然は常に多様な文化の源泉であり、地域それぞれの生物多様性は地域それぞれの文化多様性を涵養してきたのです。逆に人間の多様な営みは地域の自然環境に少なからず影響を与えてきました。文化と自然の相互作用が今の世界と価値観を築きあげてきたがゆえに、私たちの周囲には景観・食と農・里山という二つの多様性の接する「現場」が常にありつづけました。
「景観」とは、多様で固有な自然環境の中でそれぞれの文化のもつ価値観が五感で感じられる生活の場に具現したものです。世界には多様な自然と文化が存在するがゆえに、多様で豊かな景観が世界中に形成されてきました。しかしながら、社会のグローバル化は日常生活や価値観を均質化してしまい、多様な伝統的景観を次々と消失させているのもまた事実です。景観はどのように形成されて価値付けられるのでしょうか。また、日常生活の舞台としての景観はどのような課題をかかえているのでしょうか。
「食と農」は、人間が積極的に自然に関与して自然の恵みを最大化しようとした努力の賜物です。人間が農業を始めた初期には自然から多様な作物を作り出してそれぞれの栽培法を確立してきました。しかし、農業技術の進展と合理化によって作物は種としても遺伝的にも均質化されてゆきました。さらにその勢いは経済原理によって加速化されて近代農業へと至ります。多様性と均質化という二律背反を投げかける人間の文化とはいかなる風土のもとで生まれたのでしょうか。
「里山」というと日本だけのもののように思ってしまいますが決してそんなことはありません。さまざまな日常生活を反映させつつ地域の多様な自然を持続的に利用してきた文化と、二次的ではあってもそれによって形成された豊かな自然があります。こういう意味では歴史的にも空間的にも世界中に多様な形で里山は存在しています。しかしながら里山が常に持続的であったわけではありません。さまざまな社会・経済の変化や社会的葛藤によって変容して今に至っています。過去に学びつつ、現代社会の中で里山の知恵をどのように活かしてゆけばいいのでしょうか。 これらの三つの現場で多様性は失われつつある危機に瀕しています。今私たちがしなければならないことは、二つの多様性の相互作用を認識しつつ、未来に向けて何ができるのかを探ることではないでしょうか。本シンポジウムでは二つの多様性が接する「現場」としての景観・食と農・里山に焦点をしぼって、私たちの未来をどのように設計してゆけるかを議論してゆきたいと思います。
セッション1:文化多様性の資源としての景観
セッション2:農耕史が語る文化と生物を育んだ遺伝的多様性
セッション3:生物多様性とその持続的利用を支える知恵
セッション4:境界を超えた新しい流域マネジメント
プログラムに進む (アブストラクト閲覧可)
 
【お問い合わせ】(参加申込みに関すること)
国際交流係(担当:徳田、片岡、神崎)
TEL:075-707-2152
FAX:075-707-2106
Email:国際交流課アドレス
【お問い合わせ】(研究関係)
辻野 亮 (総合地球環境学研究所 上級研究員)
TEL:075-707-2478  FAX:075-707-2507
Email:

 

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