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第12回地球研地域連携セミナー
分かちあう豊かさ:地域のなかのコモンズ
開催報告


大切なものを共有し分かちあう―この考えは、コモンズと呼ばれています。第12回地球研地域連携セミナーは、富士山の麓にある富士吉田市にて、富士山を背景に地元の方々とコモンズについて理解を深めることを目的に開催されました。

1つめの講演では、渡辺豊博都留文科大学教授から、富士山を訪れる人々によるゴミの放置やし尿の垂れ流しなど環境問題・被害について現状報告があり、バイオトイレ設置への取り組みが紹介されました。

続く中島直人慶應義塾大学環境情報学部専任講師の講演では、富士講をヒントにした地域の人々によるまちづくりの構想とその実践、今後の関わり方について説明がありました。

3つめの講演となる佐藤哲地球研教授は、科学が地域づくりのために生産してきたコモンズに関する知識は、現場での問題解決に必ずしも有効に活用されていないことを示し、解決のカギとして、地域社会で多面的な役割を持つレジデント型研究者が重要であると述べられました。

阿部健一地球研教授が司会を務めたパネルディスカッションでは、会場から寄せられた質問をもとに、パネリスト3名がそれぞれ専門家の立場から意見を述べ、白熱した議論がなされました。

参加者アンケートには、「自分もレジデント型研究者を目指したい」という学生の声も寄せられ、次世代を担う若者の今後の活躍が期待される、充実したセミナーとなりました。(皇甫さやか)

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写真左から、加藤祐三 都留文科大学学長、阿部健一 総合地球環境学研究所教授、渡辺豊博 都留文科大学教授


写真左から、中島直人 慶應義塾大学環境情報学部専任講師、佐藤 哲 総合地球環境学研究所教授、立本成文 総合地球環境学研究所長


写真左から、講演の様子、パネルディスカッションの様子