途上国における植生被覆の歴史的変遷は、森林変遷理論の基礎を提供してきた。森林変遷理論(FTT)によれば、国家は資源消費が高い開拓期に急激な森林伐採を経験し、この森林伐採の段階はある程度の経済開発の後に植林の段階を迎える。多くの研究が森林伐採の要因を分析しているものの、植林に貢献している要因や、異なる経済環境で森林伐採から植林へ移行する見通しに関する知見は少ない。本報告では、アメリカ中西部で森林伐採から植林へ移行するプロセスを検証するプロジェクトの現在までの成果を要約し、アメリカやその他の地域での植林の可能性について比較検討する。いかにローカルレベルでの知見を森林変遷理論についての一般化へ使うことが可能かを示す。また、ウガンダ、ケニア、メキシコ、ボリビアでの生業と自然資源管理のコミュニティレベルでの研究の枠組みを提示する。広い地理的範囲での国家レベルの分権化と所有権制度の改革政策は、しばしばローカルレベルでの土地利用の複雑性を反映することが出来ず、結果として持続的自然資源管理と地域の生業改善の目標達成を困難にしている。このプロジェクトは自然資源を持続させ、地域住民へ公平な便益を供与する制度条件と相互関連を模索するための、インディアナ大学国際森林資源と制度プログラム(IFRI)、国際森林研究センター(CIFOR)、集団的行動と所有権プログラム(CAPRi/)による共同研究である。