ヒトが排出するし尿や排水を扱うサニテーションは公衆衛生、環境・生態系管理に加え、物質循環・資源管理を左右する重要な要素となります。世界では開発途上国の住民を中心に約24億人が適切なサニテーションにアクセスできていません(2013年、国連レポート)。また、これらの発展途上国では5歳以下の死亡率は高く、貧困の問題も生じており、今後さらなる人口増加が予想されています。一方、日本等の先進国では、低経済成長・人口減少・高齢化社会の進展により下水道などのインフラの維持が難しくなると予想されます。
2050年の世界人口は約100億人と推定されています。「人の健康・環境負荷低減・食糧増産・資源管理の関係性の中で、100億人から排出されるし尿・排水をどう扱かえばよいか?」この問の答えが必要とされています。