環境研究における同位体を用いた環境トレーサビリティー手法の提案と有効性の検証

  • FR1
  • FR2
  • FR3

研究プロジェクトについて

本コアプロジェクトは、実践プロジェクト(環太平洋ネクサス栄養循環FEAST)や研究基盤国際センター(計測・分析、情報基盤部門)と協働し、環境研究における「環境トレーサビリティー手法」を提案し、その方法論の有効性について調べます。特に、多元素安定同位体比を用いた地理マップ(Multi-Isoscapes)作成などを通して、地域における環境問題を解決する上で本手法が研究者・住民・行政の間をつなぐ役割について検証します。

なぜこの研究をするのか

写真1 湧水で涵養されている福井県大野市街の本願清水(しょうず)

写真1 湧水で涵養されている福井県大野市街の本願清水(しょうず)

写真2 兵庫県佐用郡佐用町において地球研メンバーが研究結果を示しつつ、大学関係者や地元の方々と新たな研究について検討している会議の様子

写真2 兵庫県佐用郡佐用町において地球研メンバーが研究結果を示しつつ、大学関係者や地元の方々と新たな研究について検討している会議の様子

地球研のプロジェクトでは、安定同位体を用いた研究がたくさん行なわれてきました。物質や生物に含まれる元素の安定同位体比は、環境基準物質のような「基準値」はありませんが、環境中に存在する物質のつながりを示すことができる「トレーサブル(追跡可能)」な指標として高い機能をもっています。しかし、安定同位体がもつトレーサブルな情報は、それ自体に有害性がないため環境モニタリング項目に採用されておらず、社会的認知度もありません。一方、様々な元素濃度や安定同位体比を用いることで、ある物質の産地や発生源、それが生まれるプロセスが明らかになると期待され、環境診断の精度向上や学際研究のツールとして高い可能性があります。

個別学問領域で用いられてきた「同位体手法」を、学際的な地球環境学の枠組みで利用するにはどうすればよいのか、さらに社会と連携する超学際的アプローチでは安定同位体情報をどのように活用することができるかということを考えます。

これからやりたいこと

本コアプロジェクトでは、環境トレーサビリティー概念が、地域における環境問題の解決に至るステークホルダー間の共通理解に果たす役割の有効性について検証します。その手段として、地球研の研究資産の利活用および実践プロジェクトとの共同研究を行います。一つ一つの自然科学的測定値は、個別の立場の方々にとって、それぞれ利用価値が異なると考えられます。そこで、本コアプロジェクトでは、利用価値を行政側からの視点、住民側の視点、研究者側の視点の相互作用として捉え、それぞれの視点間の関係性から類型化し、環境トレーサビリティー手法の有効性を検証します。また、環境トレーサビリティー概念は、ステークホルダーをつなぐ信頼性の構築という意味で、食のトレーサビリティーと関係する概念だと考えられます。これについても実践プロジェクトと協働で検討します。

調査地は、福井県大野市、愛媛県西条市、岩手県上閉伊郡大槌町、兵庫県千種川流域、滋賀県、フィリピンを予定しています。

集合写真

メンバー

プロジェクトリーダー

氏名所属
陀安 一郎総合地球環境学研究所

主なメンバー

氏名所属
申  基澈総合地球環境学研究所
中野 孝教総合地球環境学研究所、早稲田大学創造理工学部
近藤 康久総合地球環境学研究所
遠藤 愛子総合地球環境学研究所
奥田  昇総合地球環境学研究所
MCGREEVY, Steven R.総合地球環境学研究所
森  誠一岐阜経済大学地域連携推進センター
横尾 頼子同志社大学理工学部
帰山 寿章福井県大野市
山田 佳裕香川大学農学部
徳増  実愛媛県西条市
大串 健一神戸大学大学院人間発達環境学研究科
三橋 弘宗兵庫県立大学自然・環境科学研究所、兵庫県立人と自然の博物館
横山  正兵庫県立赤穂特別支援学校
  1. HOME
  2. 研究プロジェクト
  3. 研究プロジェクト一覧
  4. フルリサーチ・プレリサーチ
  5. 環境研究における同位体を用いた環境トレーサビリティー手法の提案と有効性の検証
↑ページトップへ
大学共同利用機関法人 人間文化研究機構
総合地球環境学研究所

〒603-8047 京都市北区上賀茂本山457番地4

Tel.075-707-2100 (代表)  Fax.075-707-2106 (代表)

みんながわかるちきゅうけん