【第1回地球環境学講座】

趣旨 日本と中国は、時代は異なるが、ともに経済発展の一方で生産活動の増大、ライフスタイルの変化など人間活動が環境に与える影響が顕在化するという道を辿ってきた。日本では1960年代の高度経済成長期に公害が多発し、環境改善への取り組みを進めてきたが、今なお残された課題もある。とりわけ、学問分野間・行政部門間・自治体間・ステークホルダー間に横たわる溝が、環境問題の抜本的な解決を困難にしている。このような課題は日本と中国に共通しており、日中両国が討論を通じて課題解決に向けた道をともに探ることの意義は大きい。本講義では、主に水環境に着目しながら、環境劣化に対する日本や世界の取り組みと課題を紹介するとともに、異なるアクターが利害関係を超えて環境問題の解決へ向かうための方向性を模索する。なお、南京大学の講義では学問分野の紹介、太湖弁公室では流域管理方法の紹介に重点を置く。

日時 2011年12月22日(木) 9:00~
場所 南京大学環境学院 B530
●窪田順平(総合地球環境学研究所) 森林保全と水循環・水資源
●植田和弘(京都大学)       環境問題と持続可能な発展
●北川秀樹(龍谷大学)       日本の環境法政策の動向と課題
●源利文(総合地球環境学研究所)  感染症を環境問題として捉える

日時 2011年12月23日(金) 9:00~
場所 太湖弁公室
●中村正久(滋賀大学)       ILBMプラットフォームの構築:適用事例を通して改善していくガイドライン
●植田和弘(京都大学)             流域における経済開発と保全

【第2回地球環境学講座】

趣旨 日本と中国は、時代は異なるが、ともに経済発展の一方で生産活動の増大、ライフスタイルの変化など人間活動が環境に与える影響が顕在化するという道を辿ってきた。初期にはその影響は自国内にとどまっていたが、経済のグローバル化とともに環境問題の原因と影響する範囲は多様化し、国境を越えた問題も起きている。さらには地球温暖化など、グローバルな環境問題への対応も必要とされている。このように重層化した環境問題の解決に対して、世界の中でも多くの人口を抱え、経済的にも重要な位置を占めつつある中国や日本を含む東アジア地域への期待は高まっており、日中両国が討論を通じて問題解決に向けた道をともに探ることの意義は大きい。本講義では、日本やアジア各国の環境問題、そして地球環境問題の研究の現状と課題を紹介するとともに、分野や国を超えて地球環境問題の解決に向けた方向性を模索する。

日時 2012年2月19日(日) 9:00~16:30
場所 北京大学 正大国際会議中心 2階 弘雅庁
●張遠航(北京大学環境科学与工程学院・院長) 開幕の言葉
●立本成文(総合地球環境学研究所・所長) 開幕の言葉
●立本成文(総合地球環境学研究所・所長) 環境と地球環境―総合地球環境学
●窪田順平(総合地球環境学研究所) 森林と水をめぐる神話と実態―森林の生態系サービスをどう捉えるか
●谷口真人(総合地球環境学研究所) アジアの水の安全保障
●村松 伸(総合地球環境学研究所) 都市に関する5つの疑問―都市は地球を救えるか?

日時 2012年2月20日(月) 9:00~12:30
場所 北京大学 正大国際会議中心 2階 弘雅庁
●門司和彦(総合地球環境学研究所) 地球環境変化と健康―地球研エコヘルスプロジェクトの紹介
●蔡 国喜(総合地球環境学研究所) 地球研エコヘルスプロジェクトの中国における共同研究
●川端善一郎(総合地球環境学研究所) 環境疾患予防論に基づいた生態系保全
●立本成文所長・張世秋副院長 修了証書授与