列島プロジェクトメンバーの皆様(Bcc:ですべての方にお送りしています)
京都では桜や欅が赤や黄に色づいて紅葉が始まりつつありますが、 まだまだ見ごろは先で、ちょうど全体集会の頃に最盛期を迎えることと思います。昨日は「こがらし1号」が吹いて急に寒くなってきました。 季節がどんどん移り変わってゆく昨今ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
10月31日に、北海道班の余市フォーラム「海・森・人ー林家文書と地域「資源」利用を考える」 が開催され、約50名の地元の熱心な参加者で盛況のうちに終了しました。北海道班のみなさま、とりわけ地元との交渉をしていただいた右代さん、発表の三浦さん、麓さん、万事連絡とりまとめの児島さん、わざわざ病中を押して駆けつけていただいた田島先生、お手伝いの品田さんに感謝申し上げます。奄美・沖縄班の三輪さん、蝦原さんにもしっかりと勉強していただきました。わたしは大阪に乗り継げない30日の中国東方航空の上海経由・昆明ー大阪便という不可解なフライトのせいで、31日の昼前に会場につくというていたらくでした。北海道では幸いにも初雪に出くわしました。
今月28・29日(土日)は列島プロの全体集会を予定しております。
今年の発表形式は従来の班を中心としたプログラム編成に戻します。
来年1年間は予算も少なくなり、完全にとりまとめの年となるので、4年目のこの全体会議はプロジェクト終了までになにがどこまでできるのか(最終到達点)を各班で発表していただくことにします。
地域班にお願いしたい課題のひとつは、生物資源の持続的利用と資源枯渇を分けた社会的経済的要因はなにか(「賢明な利用」とその破綻を分かつ条件はなにか)についての概念的な整理です。
どのような条件下で生物資源の持続的な利用と資源管理が実現し、どのような要因がそれを破綻させるのかをそれぞれの研究対象を例にして整理していただきたいということです。9月の環境史年表WGでは、そもそも生物資源の持続的利用と資源枯渇とはどのようなパラメータで記述されるのかをはじめに、これまでの重層する環境ガバナンス論以外にも、1)持続的利用をしたい人々(あるいはガバナンス)と、破綻させてもかまわない人々(あるいはガバナンス)との綱引きで、自然再生能力を超えた利用の制限のあるなしが決まるのであろうとか、2)ウチの人たちがウチの人たちのために利用する場合、ウチの人たちがソトの人たちのために利用する場合、ソトの人たちがソトの人たちのために利用する場合などの、誰が誰のためにという観点が重要であろうとか、条件整理に必要な論理の取っ掛かりが議論されています。
同じくおもに地域班にお願いしたい課題のもうひとつは、上の仮説あるいは主張を支える論拠の確立です。環境史年表やそのなかの近世近代の統計データ、さまざまなタイプのマップ、史料集など、「賢明な利用」とその破綻を分つ条件はなにかを論じるための根拠としてのデータ群や史資料群をセットとして、プロジェクト最終までに整備していただきたいということです。
地域班のリーダーの方は、上記のふたつの課題について答えるように、発表内容と要旨原稿をご用意していただきたいと考えています。
手法班のみなさんには、日本列島に住む人々がどのような生物資源利用をしてきたのか、その資源利用や土地改変で日本列島の自然はどのような変化してきたのかに関する、それぞれの班のデータを踏まえて、「適度な人間活動が日本列島の生物多様性を維持してきた」のかどうかについて、何らかの見解をいただきたいと思っています。
地域班と手法班の班長のみなさまへお願い
お願い:それぞれの様式にしたがって要旨をご提出ください.
締め切り:2009年11月16日(月)
提出先:石丸(ishimaru@chikyu.ac.jp)
ポスター発表者へのお願い
これまでに16枚分のポスターエントリーを受け付けました.
ポスター発表をされる方は様式にしたがってポスター要旨をお送りください.
締め切り:2009年11月16日(月)
提出先:辻野(turi@chikyu.ac.jp)
出張届の提出について
お願い:全体会議にご出席いただける方には、出張届のご提出をお願いいたします。
出張届をまだ提出されておられない方はお早めにお願いします.
締め切り:2009年10月30日(金)
提出先:岩永(yumo-jimu@chikyu.ac.jp)
備考:旅費をお出しできない方(京都市内在住or勤務)、ご自身の経費でご出席の方も、ご出席の場合はその旨と、懇親会の参加・不参加、2日目の昼食の 要・不要をご連絡ください。
以上の様式などは下記のURLに格納しておりますのでご覧ください。
https://www3.chikyu.ac.jp/retto/naibu/zentai2009.htm
限定ページへの入場にはアカウント(rettomember)とパスワード(24702507)が必要になります。
生物資源の持続的利用には,利用速度と再生速度,土地利用が重要という図式を建てていましたが、複雑な構成をするのではなく、個体群とハビタットを別々に考えた方がよいのではないかと思いつきました。つまり生物資源の持続的利用には、個体群populationと生息環境habitatの維持の両立が必要条件である。そして、個体群は利用速度と再生速度によって決まり、生息環境は植生遷移の進行と人為的攪乱(規模と頻度)による逆行によって決まる。
すなわち、
個体群の持続=再生速度−利用速度
生息環境の持続=植生遷移−人為的攪乱
草原は環境史WSのときに考えた図式への当てはまりが悪かったですが、上のように考えると草原というハビタットの維持と土地に乗っている草という生物資源を別々に考えたらうまくいきそうです。草原の場合は草の利用がハビタットの維持につながり,過剰・過少な草利用はハビタットの劣化をもたらすというわけです。他にも、薪炭林のように攪乱によって遷移を止めなければならないという場合にも当てはまります。
このように個体群とハビタットの維持を両輪として考えたときにガバナンスなどが持続的利用を保障しえたのかどうかを検証できるのではないでしょうか。
最後の先月の湯本の足跡は、
10月9日 地球研としては初の東京セミナー(辻野参加)湯本は御所野植生復元会議(岩手・一戸町)
10月10日ー11日 首都大学東京「島嶼共生系とはなにか」問題提起(伊豆大島)
10月13日 所内ハラスメント講習会
10月14日 所内プロジェクトリーダー会議
10月15日 列島プロジェクト連絡会(所内メンバー)
10月16日 第2回コモンズと法制度研究会・話題提供者:牧野光琢さん(地球研にて)
10月19日 地球環境事典編集委員会(地球研)
10月20日ー22日 地球研国際シンポジウム(地球研)
10月23日 野生生物管理セミナー講演(東京農工大学)
10月24日 異分野交流事業打ち合わせ会(京都)
10月25日 京都水族館を考える会・講演「原っぱの効用」(京都市法然院)
10月27日ー30日 東アジア人類学セミナー(中国・雲南大学)
10月31日 北海道班余市フォーラム(北海道余市町)
これからさらに冷え込むことと思いますのでお体にはお気をつけください. では月末にお会いできるのを楽しみにしております.
所属の変更などがございましたら岩永まで随時お知らせください.
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Takakazu YUMOTO
湯本貴和