2009年5月7日のごあいさつ

日本列島プロジェクトのみなさま
(Bcc.ですべてのメンバーにお送りしております)

京都はすっかり新緑の季節になりました。大型連休はいかがお過ごしでしたか?
わたしは、道路混雑もいやなので、10年以上にわたって、ためにためてきた物置きの整理をしました。「昔取った杵柄」系のものが出るわ出るわ。木登り道具(ザイルで木登りをするという技術で20年以上、生態学の世界で生きてきました)、昆虫トラップと、採集物を整理・保管するサンプル管が段ボール3箱、熱帯や温帯の乾燥種子標本やら標本もどきやら、望遠レンズや接写レンズや暗視カメラ、テント各種・アフリカ用の蚊避け薬剤付きの蚊帳・南米仕様のハンモック、論文別刷や科研費の報告書の残部などなど。リスはどんぐりを隠すと10日間で忘れ去るという研究があるのですが、10年もたつと存在すら忘れてしまうのですね。アーミーナイフ2本と懐中電灯5本を発掘しました。5月2日から6日まで、丸々5日間かかりました。
きのう、ごあいさつメールを書こうとしたのですが、あまりに疲れたのと、NHKで放映された松田聖子を不覚にも見入ってしまったので、きょうになりました。

ーーー4月の動き
古生態班・植物地理班合同研究会
4月25日と26日は、古生態班と植物地理班の合同研究会が、京都府立大学で開催されました。古生態班では最終氷期最盛期あたりの主要分類群の花粉化石についてのデータ、植物地理班からはDNAによる地域個体群の変異に関するデータがそれぞれ提出されて、さまざまな議論がなされました。とくにこれまでの「最終氷期最盛期には逃避地(refugia)とよばれる場所に、比較的まとまった大きな個体群が保存されてきた」という考えに対して、もっと小規模な、植生ともいえないような残存個体を考えたほうが、花粉化石も分子系統も無理なく説明できるのではないかという、新しいアイデアが出されました。

ーーー5月の行事
もう寸前に迫りましたが、下の行事が予定されています。

第三回環境史ワーキンググループ研究会
〜〜会議の場所が変更になったので、ご注意ください。
日時:2009年5月9日13:30〜18:00,2009年5月10日8:30〜12:00
会場:東京大学駒場キャンパス
15号館5月9日 15-106(1階) 5月10日 15-104(1階)
キャンパスマップ http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map02_01_j.html#
15号館 http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_14_j.html
出席者:各地域班WG担当者6名+石丸・辻野

内容:環境史WGとしての目標は3つあります。
(1)ケーススタディごとのより深い理解
(2)さまざまな生態系(各巻)での自然利用の通史
(3)ケーススタディを積み重ねて,さまざまな生態系を含む日本列島での人と自然の関係のパタンを見出す(一般化・抽象化)

WGメンバーの勉強もかねて、次に示す生物文化多様性WSと日程をくっつけて第3回環境史WG研究会を開催します。特に今回のWG研究会では,各地域班担当者に(1)のケーススタディを年次を追ってガバナンスの働き方や生物資源の動向をまとめた発表をしてもらいます。さらにシリーズ本に含めるための生態系ごとの自然利用の通史に迫る議論を行ってもらおうと考えています。皆様には特に(1)をまとめるために,各地域班担当者からいろいろ質問が行っていることと思います。お忙しいことでしょうが、よろしくご協力ください。なお、この研究会はプロジェクトメンバーには公開いたしますので東京近辺にお住まいの方で御用とお急ぎでない方はどうぞいらっしゃって議論を大いに盛り上げてください。来られる方は辻野(turi@chikyu.ac.jp)までご連絡いただけるとありがたいです。

生物文化多様性ワークショップ
日時:2009年5月10日13:30〜18:00
場所:東京大学駒場キャンパス15号館104会議室(同じ会場)
プログラム:
13:30 湯本貴和 趣旨説明
13:45 今村彰生「生物・文化多様性はなぜ大切か?」
14:15 矢原徹一「伝統知のなかの賢明な利用」
14:45 松田裕之「生態学からみた賢明な利用」
休憩10分
15:55 白水 智「前近代の日本列島における資源利用をめぐる社会的葛藤」
16:25 原田(森元)早苗「日本におけるコモンズとガバナンス」
16:55 安渓遊地「環境ガバナンスからみた賢明な利用と非賢明な利用」
17:25 まとめ
18:00 閉会

内容は、全6巻成果本の第1巻についての発表です。

ーーー新事務体制のこと
本年度4月まで列島プロの旅費などの事務を受け持ってもらっていた高橋敬子さんが4月末をもって退職されることになりました。高橋さんには2005年から4年間に渡ってお世話になってきました。すでに退職のあいさつもみなさんに届いていることでしょう。高橋さんのメイルアドレスはしばらく存続しますが、5月なかばには廃止されます。
高橋さんに代わって、5月から岩永千晶さんという方に事務を担当していただくことになりました。これを機に、これまでの旅費・物品の事務系統を一新して、 旅費・物品・その他⇒岩永さん(週4日、月火木金曜日勤務) 事務統括と旅費物品の補助⇒細井さん(週3日、月水金曜日勤務) とします。岩永さんのメイルアドレスはiwanaga@chikyu.ac.jpですが、事務系の伝達事項はyumo-jimu@chikyu.ac.jpにご一報いただけましたら、岩永か細井がお返事させていただきます。
プロジェクト研究員のメンバーはこれまでどおり,石丸・川瀬・村上・佐々木・瀬尾・辻野です.さらに,ドイツ国籍のメルツさん(木材解剖学、民族植物学がご専門)が外国人客員研究員として6月から半年間在籍し、これまでも列島プロのお手伝いをしていただいていた京都大学院生の日下宗一郎君がRAとして週1日研究室に勤務することになりました。よろしくお願いします。

ーーー最後に先月の湯本の足跡は、
4月1日 Richard Primack氏、小堀宏美氏を京都府立植物園にご案内
4月4日 屋久島でお世話した清野さんと布施君の結婚式・披露宴・二次会・三次会(京都市)
4月13日 堀田満先生の堀田ファイル寄贈記念講演会(地球研)
4月15日 京都大学総合人間学部リレー講義
4月16日 地球研IS研究審査発表会(地球研)
4月19日 地球研でお世話した林君と工藤さんの結婚式・食事会(東広島市)
4月20日ー21日 宮崎県綾町 照葉樹林で町興しをした町を見学・交流会
4月23日 同志社大学経済学部リレー講義
4月24日 京都大学理学研究科ガボンJICA-JST計画会議
4月25日ー26日 古生態班・植物地理班合同研究会(京都府立大学)

ーーーシリーズ本のこと
最後になりましたが、第一次の原稿〆切が6月あたまに迫ってきました。全体構成の一覧と、各巻の総説に必要なものですので、たいへん慌ただしいのですが、よろしくお願いいたします。

湯本貴和
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Takakazu YUMOTO

<以下は毎回お知らせしている備忘情報です>
<各班の動向について>
各班のお知らせを随時webや本メイルでお知らせしたいと思いますので,
各班の動向を辻野までお知らせください.

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<出版物・業績関連>
論文などは受理された段階で辻野までお知らせください.
さらに,ページが入って印刷された段階で再度お知らせください.
謝辞へは以下の一文を加えていただけましたら幸いです.

This study is partly supported by Research Project `A new cultural and historical exploration into human-nature relationships in the Japanese archipelago' of the Research Institute for Humanity andNature.
なお本研究は総合地球環境学研究所プロジェクト"日本列島における人間−自然相互関係の歴史的・文化的検討"の補助を受けている.

<情報更新など>
所属の変更などがございましたらyumo-jimu@chikyu.ac.jpまで随時お知らせください.