2008年12月5日のご挨拶(湯本より)
列島プロジェクトメンバーの皆様(Bcc:ですべての方にお送りしています)

師走に入り、先生方は走らなければならないような慌ただしい毎日をお送りの ことと存じます。

京都では休日のたびにものすごい人でごった返す11月がようやく終わり、混 雑もやや落ち着いてきました。今年は急に寒くなったことと、台風がひとつも 来なかったことがたぶん大きな要因で、例年になくイロハモミジの紅葉が鮮や かでした。

11月は1日から東北班の巡検が「北上山地の山の暮らし−過去と現在−」を 主旨に岩手県久慈市や岩泉町で行われました。わたしは別件の用事で行けませ んでしたが、辻野亮と川瀬大樹のプロジェクト研究員ふたりが同行して限界集 落や馬産地,高原の牧場などの北上山地での生活を垣間見たと聞いています。 この合宿でも今年の大きな課題として設定した環境史年表に関する議論が白熱 したそうです。とくにプロの歴史研究者の方々から、精度の違う文献などを合 わせるのはやりにくく、膨大な仕事量でとても2ー3年でできるものではない というご意見がでる一方で、既存のデータでできることを地域と時代、環境に ちなんだテーマを制限してやってみようという建設的な意見が出たのは非常に ありがたいことでした。池谷さんほかの東北班のみなさまにはたいへんお世話 になりました。

つい先日11月22−23日には、サハリン・沿海州班による国際シンポジウ ムが東京大学で開かれました。「環日本海北部地域の後期更新世における人類 生態系の構造変動」というテーマで、ロシアからの招待客5人とサハリン・沿 海州班の佐藤さんをはじめさまざまな方による熱心なシンポジウムでした。立 派な講演要旨集が地球研研究室に残部がありますので(とくに環境変遷のデー タが充実)、ご入用の方は佐藤さんか湯本までお申し出ください。

2008年度全体集会のことーーー

来る12月6−7日は年に一度の列島プロジェクトの全体集会が開催されま す。プロジェクトメンバーのみなさんには、シリーズ本の執筆要旨をはじめと して、手法班・地域班の発表要旨や今年度の研究内容、さらにポスター発表者 には発表要旨をお願いしておりました。これらの要旨はほぼ出揃い、講演要旨 集の原板がようやく完成し、本日コピーに回すことになっています。出張手続 きもおおむね予定通り、進んでいます。みなさんのご協力にこころより感謝し ます。

11月のメールでもお知らせいたしましたが、今回の全体集会の目標はシリー ズ本作成を通じて人と自然の関係史を議論することです。そのため、今年度の プログラムはシリーズ本の巻ごとにプログラムを編成するとともに、できるだ け議論の時間を長くとるために終了時間が前年度までよりも遅くなっていま す。 最新のプログラムをご確認ください。

地球研列島プロジェクト2008年度全体集会

日時:2008年12月6日(土)・7日(日)(6日13:00開始,7日15:00終了予定、 コアメンバーは17:00まで)
会場:地球研講演室(正面玄関入って左)
<プログラム詳細>
6日
13:00から手法班の報告
古人骨班、古生態班、植物地理班、方言班、栽培植物班、マルハナバチ班(各30分) 縄文・近世・現代における中大型哺乳類の分布変遷(30分)、環境史年表 WGの報告・議論(1時間)
18:00-18:30 ポスターセッション
18:30-21:00 懇親会(地球研ダイニングホールにて)
7日
第2巻から第6巻までの構成と内容について
9:00-10:00 第6巻をいかにまとめるか(湯本)
10:00から各地域班を中心に巻ごとの報告(各巻で40分)
14:00-15:00全体討論(コアメンバー以外はここまで)
15:15-17:00 コアメンバー会議

今年度は手法班による発表にも重点を置いていております。これまで手法班が やってきた研究内容を集成して、縄文・江戸期の古人骨GISマップやLGM植生マ ップ、現生植物種ハプロタイプマップ、中大型哺乳類の分布変遷マップなどに よって日本列島全体にわたる比較と検討を試みます。できればこれらの融合に まで議論を持ってゆきたいところです。

また、プロジェクトの根幹にかかわるような2つの発表が予定されており、湯 本による「人と自然の関係史に基づく概念検討」と環境史WGによる「環境史年 表を用いた資源枯渇と克服の歴史を検討」によってプロジェクトメンバー全体 で理解と議論を深めたいと考えています。 ちなみに、全体集会の前日と6日の午前中には環境史WGの第2回目の打ち合わせ があり、その流れで環境史WG中間発表を行っていただくので全体集会では実の ある議論が催されるものと期待しております。

最後に先月の湯本の足跡は、
11月2日 コスモス国際賞受賞者フォアン先生と公開対談(芝蘭会館、京都)
11月14日 北稜高校「地球環境学の扉」講義
11月15日 江東区エコリーダー養成講座「食卓から地球環境を考える」 (江東区環境学習館、東京)
11月16日 第2回焼畑サミット in 鶴岡(温海ふれあいセンター、山形)
11月18日 沼島中学校総合学習「人間にとって「食」とは何か」(南あわ じ、兵庫)
11月20日 同志社大学講義「科学と技術」
11月22日ー23日 サハリン・沿海州班国際シンポジウム(東京大学、東京)
11月27日 里山研究会(午前中は国立民族学博物館と能勢、午後は森林総 合研究所関西支所)
11月28日 三原高校講演会(南あわじ、兵庫)
11月29日 日本民家集落博物館講座「奄美大島の自然と人々との関わり」 (服部緑地、大阪)

全体集会に向けて地球研スタッフ一丸となって準備を進めております。今週 末、紅葉の京都であえることを楽しみにしております。

Takakazu YUMOTO

<以下は毎回お知らせしている備忘情報です>
<各班の動向について>
各班のお知らせを随時webや本メイルでお知らせしたいと思いますので,
各班の動向を辻野までお知らせください.

<アクセス制限ページ>
列島プロジェクトではアクセス制限ページ設定しております.
制限ページへの入り方は
列島プロHPのトップページ↓の最下段にある,
http://www.chikyu.ac.jp/retto/index.htm
「プロジェクトメンバ向け資料」↓から入ることができます.
https://www3.chikyu.ac.jp/retto/naibu/index.htm
そこで
id:rettomember
pass:24702507
を入力していただけましたら制限ページに入ることができます

<出版物・業績関連>
論文などは受理された段階で辻野までお知らせください.
さらに,ページが入って印刷された段階で再度お知らせください.
謝辞へは以下の一文を加えていただけましたら幸いです.

This study is partly supported by Research Project `A new cultural and historical exploration into human-nature relationships in the Japanese archipelago' of the Research Institute for Humanity andNature.
なお本研究は総合地球環境学研究所プロジェクト"日本列島における人間−自然相互関係の歴史的・文化的検討"の補助を受けている.

<情報更新など>
所属の変更などがございましたら高橋まで随時お知らせください.