師走に入り、先生方は走らなければならないような慌ただしい毎日をお送りの ことと存じます。
京都では休日のたびにものすごい人でごった返す11月がようやく終わり、混 雑もやや落ち着いてきました。今年は急に寒くなったことと、台風がひとつも 来なかったことがたぶん大きな要因で、例年になくイロハモミジの紅葉が鮮や かでした。
11月は1日から東北班の巡検が「北上山地の山の暮らし−過去と現在−」を 主旨に岩手県久慈市や岩泉町で行われました。わたしは別件の用事で行けませ んでしたが、辻野亮と川瀬大樹のプロジェクト研究員ふたりが同行して限界集 落や馬産地,高原の牧場などの北上山地での生活を垣間見たと聞いています。 この合宿でも今年の大きな課題として設定した環境史年表に関する議論が白熱 したそうです。とくにプロの歴史研究者の方々から、精度の違う文献などを合 わせるのはやりにくく、膨大な仕事量でとても2ー3年でできるものではない というご意見がでる一方で、既存のデータでできることを地域と時代、環境に ちなんだテーマを制限してやってみようという建設的な意見が出たのは非常に ありがたいことでした。池谷さんほかの東北班のみなさまにはたいへんお世話 になりました。
つい先日11月22−23日には、サハリン・沿海州班による国際シンポジウ ムが東京大学で開かれました。「環日本海北部地域の後期更新世における人類 生態系の構造変動」というテーマで、ロシアからの招待客5人とサハリン・沿 海州班の佐藤さんをはじめさまざまな方による熱心なシンポジウムでした。立 派な講演要旨集が地球研研究室に残部がありますので(とくに環境変遷のデー タが充実)、ご入用の方は佐藤さんか湯本までお申し出ください。
2008年度全体集会のことーーー
来る12月6−7日は年に一度の列島プロジェクトの全体集会が開催されま す。プロジェクトメンバーのみなさんには、シリーズ本の執筆要旨をはじめと して、手法班・地域班の発表要旨や今年度の研究内容、さらにポスター発表者 には発表要旨をお願いしておりました。これらの要旨はほぼ出揃い、講演要旨 集の原板がようやく完成し、本日コピーに回すことになっています。出張手続 きもおおむね予定通り、進んでいます。みなさんのご協力にこころより感謝し ます。
11月のメールでもお知らせいたしましたが、今回の全体集会の目標はシリー ズ本作成を通じて人と自然の関係史を議論することです。そのため、今年度の プログラムはシリーズ本の巻ごとにプログラムを編成するとともに、できるだ け議論の時間を長くとるために終了時間が前年度までよりも遅くなっていま す。 最新のプログラムをご確認ください。
今年度は手法班による発表にも重点を置いていております。これまで手法班が やってきた研究内容を集成して、縄文・江戸期の古人骨GISマップやLGM植生マ ップ、現生植物種ハプロタイプマップ、中大型哺乳類の分布変遷マップなどに よって日本列島全体にわたる比較と検討を試みます。できればこれらの融合に まで議論を持ってゆきたいところです。
また、プロジェクトの根幹にかかわるような2つの発表が予定されており、湯 本による「人と自然の関係史に基づく概念検討」と環境史WGによる「環境史年 表を用いた資源枯渇と克服の歴史を検討」によってプロジェクトメンバー全体 で理解と議論を深めたいと考えています。 ちなみに、全体集会の前日と6日の午前中には環境史WGの第2回目の打ち合わせ があり、その流れで環境史WG中間発表を行っていただくので全体集会では実の ある議論が催されるものと期待しております。 最後に先月の湯本の足跡は、全体集会に向けて地球研スタッフ一丸となって準備を進めております。今週 末、紅葉の京都であえることを楽しみにしております。
Takakazu YUMOTO
<以下は毎回お知らせしている備忘情報です>