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研究目的

研究の背景

貧困と環境破壊の悪循環は森林破壊,砂漠化などの「地球環境問題」の主要な原因です。世界の貧困人口の大部分が集中するサブサハラ・アフリカや南アジアの半乾燥熱帯では,天水農業に依存する人々の生活は環境変動に対して脆弱であり,植生や土壌などの環境資源は人間活動に対して脆弱です。この「地球環境問題」を解決するためには,人間社会および生態系が環境変動の影響から速やかに復元すること(レジリアンス)が鍵となります。このプロジェクトでは途上国地域において環境変動に対する社会・生態システムのレジリアンスとは何か、それを捉えるための指標は何か、を探ることによって社会・生態システムのレジリアンスを高める方策を考えます。

プロジェクトの目的

これまで環境資源に生業を強く依存している人々の脆弱性とレジリアンスに対する関心は低く、災害発生後の援助や砂漠化危険地域での環境保全計画において、地元住民のレジリアンスへの考慮が充分ではありませんでした。特に途上国の農村地域で環境資源に強く依存した生業を営む農牧民にとって人口増加や伝統的なコミュニティの崩壊に起因する社会・生態システムのレジリアンスの弱体化は深刻な問題となっています。このプロジェクトでは環境変動に対する人間活動を社会・生態システムの脆弱性とレジリアンスという観点からとらえ、地域の環境変動が社会・生態システムに及ぼす影響及びショックから回復するメカニズムを明らかにします。また回復能力を規定する家計やコミュニティレベルの要因や、社会制度が果たしている役割を具体的な事例とともに分析し、社会・生態レジリアンスの要因を解明し、途上国地域において人間の安全保障を醸成するための示唆を与えます。


最終更新日: 2013-02-01 17:14 JST Jump to Top Page Top