平成27年9月11日、福嶌義宏名誉教授が水文・水資源学会より平成27年度水文・水資源学会功績賞を受賞しました。
この賞は、水文・水資源学に係わる研究調査、啓発普及もしくは出版文化活動等に関し、顕著な功績があったものに授与されるものです。
福嶌名誉教授は、山地小流域における水・土砂の流出における森林植生の役割ついて、はげ山と緑化後の違いを長期にわたる観測と、流出モデルによる定量評価の両面から明らかにし、森林水文学の基礎を構築しました。
また、1990年代後半から実施された 国際共同研究GAM(GEWEXアジアモンスーンエネルギー・水循環観測研究計画)実行委員会の国内事務局長を務め、河川工学・地理学・気象学・農学・森林学等から成る学際的な水文学研究の実現に大いに貢献されました。
さらに、地球研に着任後は、黄河の水循環変化に関する研究プロジェクト「近年の黄河の急激な水循環変化とその意味するもの」のプロジェクトリーダとして、黄河断流の原因について気候変動と人間による土地利用変化の両面から解明し、『黄河断流-中国巨大河川をめぐる水と環境問題』(昭和堂)を著されました。本書は第62回毎日出版文化賞(2008年)を受賞しており、水文・水資源学の社会的認識を高めることに多大な貢献をされました。
このような福嶌名誉教授の水文学における優れた業績と水文・水資源学会における長年の多大な貢献が認められました。