第132回地球研セミナー

モンスーン・アジアにおける人と自然
-アジアからの環境研究のための日本とインドの対話:言語と文学の視点で-

 グローバルな環境問題に対応するための新しい思考や考え方の模索が続いている。その際、モンスーン・アジアは、経済発展とそのギャップの生み出す様々な問題のホットスポットであると同時に、豊かな自然に恵まれ長い歴史を背景にした文化的な蓄積を持つ点で、新しい知を生み出す大きなポテンシャリティを秘めている。

 モンスーン・アジアという環境の中で人はどう生きてきたのか。そして、どのような未来をえがくことができるのか。

 今回のセミナーでは、ギータ・A・キニ氏と大西正幸氏をお招きし、ベンガル語と日本語の語彙や文学作品の中に表れた雨の表現の検討を通じて、モンスーンという環境の中での人と自然の関係を明らかにしていただく。また、モンスーンに関する気候学の立場、インダス文明研究の立場からのコメントを予定している。

 日・印それぞれの文化と歴史に関する対話により、人間と自然の関わりへの深い洞察と、新しい地球環境に関する価値観の創出の契機となることを目指したい。

開催日時
2016年6月7日(火)14:30 - 17:00
場  所
総合地球環境学研究所 セミナー室3・4(⇒アクセス)
言  語
英語/日本語
問い合わせ
寺田匡宏  (地球研客員准教授、E-mail

++プログラム++ 

  1. 14:30 - 14:45
  2. イントロダクションとショート・ビデオ上映「シャンティニケタン訪問記」

    寺田匡宏

  3. 14:45 - 15:15
  4. 講演1「ベンガル語と日本語の雨とモンスーン語彙に関する比較から見る人と自然」

    ギータ・A・キニ

  5. 15:15 - 15:45
  6. 講演2「文学を通して見るベンガル人のモンスーン観—タゴールの雨季の歌とタラションコル・ボンドパッダエの小説を例に」

    大西正幸

  7. 15:45 - 15:55
  8. 休憩

  9. 15:55 - 16:15
  10. コメント 安成哲三(気候学の視点から)、長田俊樹(インダス文明研究の視点から)

  11. 16:15 - 17:00
  12. 討論


  • ■ビッショ・バロティ大学(タゴール国際大学) 1901年、ノーベル文学賞受賞者のラビンドラナート・タゴールによってコルカタ近郊のシャンティニケトンに創設。1951年に国立大学に改組。彼の人間と環境への哲学に基づいた独自の教育・研究を行ってきたことで知られる。
  • ■総合地球環境学研究所 環境を文化の問題としてとらえた総合の学としての地球環境学の構築を目指し,社会との共同とインターディシプリナリーな方法による新たな研究手法の確立に取り組む。
  • ■ギータ・A・キニ ビッショ・バロティ大学言語・文学・文化学部日本学科長、教授。日本学。『日本霊異記』の研究や宮沢賢治の作品のベンガル語の翻訳を行う。
  • ■大西正幸 同志社大学文化遺産情報科学研究センター研究員。言語学。1970年代にビッショ・バロティ大学に留学。ラビンドラナート・タゴール、モハッシェタ・デビ、タラションコル・ボンドパッダエなどベンガル語の代表的文学作品を日本語に翻訳。元「環境変化とインダス文明」地球研プロジェクトサブリーダー(2007-2011年度)、同FS「アジア・太平洋における生物文化多様性の探求」責任者(2013-2014年度)。
  • ■安成哲三 地球研所長。気候学・気象学。1970年代からアジアモンスーンの研究を、ヒマラヤ・チベットでのフィールド観測やインド熱帯気象研究所などで行い、様々なモンスーン変動を解明。
  • ■長田俊樹 地球研名誉教授。言語学。2007-2011年に地球研において「環境変化とインダス文明」プロジェクトを実施し、インダス文明の衰退と環境変化の関係を実証的に証明。
  • Page Top
  1. HOME
  2. 成果発信
  3. イベント
  4. 地球研セミナー
  5. 第132回 地球研セミナー
大学共同利用機関法人 人間文化研究機構
総合地球環境学研究所

〒603-8047 京都市北区上賀茂本山457番地4

Tel.075-707-2100 (代表)  Fax.075-707-2106 (代表)

みんながわかるちきゅうけん