【開催報告】 第74回地球研市民セミナー

「高校生とともに考える「環境」の今と未来」が開催されました。

2018年2月1日(木)に第74回地球研市民セミナー「高校生とともに考える「環境」の今と未来」が地球研講演室にて開催されました。地球研は、2013年度から京都府立洛北高等学校(以下、洛北高校)が文部科学省から指定を受けて推進している「スーパーサイエンスハイスクール」(SSH)事業に協力しており、2016年には教育協力に関する基本協定を締結しました。今年度は、文系と理系の2年生14名が、4班に分かれ、約半年に渡り「環境」をテーマとした研究に取り組み、セミナーではその成果を発表してくれました。ときおり雪がちらつく寒い天気にも関わらず、45名の方々にお越しいただき、会場は熱気に包まれました。

まず、セミナーのはじめに、授業担当者より今年度の洛北高校と地球研の連携授業について、写真を交えながら紹介されました。

第1班は「未来の福祉をデザインする」と題して、地球研の西條辰義特任教授が提唱する「フューチャーデザイン」の手法を用いて、高齢者および年金福祉について対話しました。その結果、将来にわたって持続できる福祉制度をつくるためには、現役世代を含めより多様な世代がかかわって政策を立案する必要があることがわかりました。

続いて第2班は「京都から考える都市林の未来」と題して、地球研の原口岳研究員らの協力のもと、糺の森といのちの森にて毎木調査を行い、都市林の管理のあり方について提案しました。

第3班は「『京都』をつくる~京都文化の持つ歴史・地域性が育む街並み~」と題して、京都の景観はどうあるべきか、景観の調査とアンケート調査をふまえ、若者が求める新しい京都の街づくり案を提示しました。

最後に第4班は「『京都人』と外国人のマナー意識の違い~観光と生活が調和する街・京都を目指して~」と題して、学内および観光地における調査から「当たり前」が人によって異なる場合のあることを十分に理解し、マナーの背景にある文化や習慣、価値観にも意識を向けることが大切だ、と発表しました。

各班から身近な環境問題について、様々な視点の研究内容が披露され、堂々たる発表がなされました。質疑応答の時間には会場から多くの質問や感想をいただき、その後のポスターセッションでも、参加者と活発なやりとりが交わされました。高校生たちは、今後、2月下旬に洛北高校内で行われる研究報告発表会に臨みます。

※京都新聞(2月7日 (水)朝刊23面)に掲載されました。

地球研市民セミナーは、地球研に関わる研究者が最新の研究についてその過程も含めてお伝えすることを目指し、地球研や京都市内の場にて不定期に開催するイベントです。専門用語や難しい概念を使用せず、地球研の最新の研究成果や環境の大切さを伝えるように努めていますので、お気軽にご参加ください。次回は、2月15日(木)にハートピア京都にて「地域資源の活用から始まる環境問題解決への取り組み~管理からケアへの転換を目指すエリアケイパビリティー~」と題して開催します。

これまでの授業の様子はこちらから(洛北高校のサイトへ移動します)

■当日の様子

発表を行う生徒

発表を行う生徒

質問をする参加者

質問をする参加者

ポスターセッションの様子

ポスターセッションの様子

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