農林漁業の再構築と持続可能な将来ビジョン

2019年度IS「バイオリージョンに立脚した社会の実現と新たな農林漁業体系の構築」ワークショップ
日 時
2019年11月20日(水)9:30 - 18:00
場 所
総合地球環境学研究所 講演室 (⇒アクセス
主 催
2019年度IS「バイオリージョンに立脚した社会の実現と新たな農林漁業体系の構築」
参加について
  1. ・来聴歓迎、参加無料、登録・申込不要
  2. ・有料で昼食を提供します(1,000円程度を予定)
  3. ・18時30分より、総合地球環境学研究所内で懇親会を開催します(会費4,000円程度)
  4. ・昼食利用または懇親会参加を希望される場合は田村まで、ご連絡ください
連絡担当者
田村 E-mail
開催趣旨

農林漁業の近代化は、社会の近代化の駆動力であり、文明にたびたび転換点をもたらして来ました。しかし、近年、大規模で集約的な工業的近代化農林漁業が、気候変動、生物多様性の消失、リンや窒素の循環不全など、地球規模の環境危機の要因でありうることが指摘されています。と同時に、食料生産の生産性が著しく向上していながらも、世界の飢餓は解決されず、また過剰なまでの生産性や効率性の追求が、農林漁業に携わる人々の尊厳を損なっていることも指摘されています。

農林漁業は人と自然の界面に成立するなりわいであり、人が自然から恵みを取り出し、かつ人が自然をケアする営みです。生産性や効率性だけが目指すゴールではないはずです。農林漁業が本来的にもちうる持続可能性と豊かさを復権するためには、近代的・効率的・集約的・機械化・商品化ではない形の農林漁業のビジョンが必要です。そして、農林漁業をそれが立脚するところの生態系と結びつけて再定義し、より生態系と調和した生産、分配、消費のビジョンを模索することは、ライフスタイルの新たな持続可能性ビジョンを提示することにもつながります。なぜならば、地球上のすべての人間は、農林漁業の受益者または利害関係者であるともいえるからです。

日本でもすでに、オルタナティブな農林漁業の実践や位置づけが、各地で進行しています。なかには、すでに地域に大きな影響を与えつつある取り組みもあります。しかしながら、それぞれの取り組みは個別の要素技術にとどまりがちで、農・林・漁のセクター壁、地域の壁、保全と利用の壁などのために、ひとつながりのシステムとして体系づけられるまでには至っていません。

2019年度総合地球環境学研究所インキュベーション研究(IS)「バイオリージョンに立脚した社会の実現と新たな農林漁業体系の構築」では、上記のような問題意識のもと、バイオリージョンの視点から農林漁業を捉え、それを統合し、持続可能社会を実現する人間―自然システムとして構築することを目指しています。今回のワークショップでは、現在の日本における実践を確認し、異なる文脈に照らして点検し、今後、必要となる制度や研究について、多面的に検討することを目的とします。同時に、今後のプロジェクト発展段階に向け、具体的な研究シーズや研究組織について幅広く意見交換を行います。

++プログラム(案)++ 敬称略 ※変更の可能性あり

  1. 9:30 - 10:00 開会+解題
  2. 「このプロジェクトの目指すところ」 田村典江(総合地球環境学研究所)

  3. 10:00 - 12:00 現場からの問題提起
    1. a)「少量多品種多用途の森づくり ~森の恵を分け合う仕組みづくり」(30分)
        高橋直樹(北海道中川町)
    2. b)「都市・農村共生社会の創造に向けた全国町村会の取り組み」(30分)
        小野文明(全国町村会)
    3. c)「森里海を紡ぎなおす人々の思いと取組」(30分)
        田中克(舞根森里海研究所)
    4. d) 総合討論 (30分)
  4. 13:00 - 15:30 マクロな視座からの検討
    1. a)「IPBESの概念枠組をもとに農林漁業を考える(仮)」(30分)
        橋本禅(東京大学)
    2. b)「農地の価値を最大化するための政策:誰が何を担うべきか?」(30分)
        荘林幹太郎(学習院女子大学)
    3. c)「田園回帰の時代~農林漁業からの地元つなぎ直し」(30分)
        藤山浩(持続可能な地域社会総合研究所)
    4. d)「日本の自然資本・生態系サービスの将来シナリオ分析:自然資本・分散型社会の可能性を探る」
        (30分)
        齊藤修(国連大学)
    5. e) コーヒーブレイク (30分)
  5. 15:30 - 17:00 課題と技術
    1. a)「小規模多機能技術としての小さな自然再生」(30分)
        三橋弘宗(兵庫県立人と自然の博物館/兵庫県立大学)
    2. b)「自然アクセス制の意義と課題ー高度利用の呪縛を超えて」(30分)
        三俣学(兵庫県立大学)
    3. c)「自然利用における技術への依存と文化の衰退—自然知の再構成にむけて—」(30分)
        齋藤暖生(東京大学)
  6. 17:00 - 18:00 総合討論
    1. ・"Bioregional Agriculture"-その阻害要因/促進要因
    2. ・望ましい制度(institution)、求められる研究とは
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