「日本酒のレンズで地域を覗く、地域のレンズで日本酒を覗く」勉強会

日 時
2019年3月15日(金)14:00 - 18:00
場 所
総合地球環境学研究所 セミナー室 3・4 (⇒ アクセス
主 催
平成30年度所長裁量経費「地球環境学の理論的基礎としての風土論/風土学の概念分析とリフレーミング」
お問い合わせ
研究部FEASTプロジェクト 太田和彦 E-mail

※当日参加も大歓迎ですが、参加をご希望の方は、太田まで事前にご一報いただければ幸いです。


皆さまは「地酒」を飲まれたこと、あるいは耳にしたことがあると思います。「地酒」という言葉が生まれたのは1970年代に入ってからですが、ちょうどその頃をピークにして、日本酒醸造業の規模は縮小しつづけています。そのなかで、「地酒」という考え方は需要を確保・拡大するためのブランディングに使われ続けてきたのですが、近年、特に中小規模の酒造では、地域の食文化や風土と連環する循環型地場産業、あるいは地域内の産業・資源に相乗効果をもたらす中間支援者として、日本酒醸造をフレーミングする傾向が見られます。

つまり、「ブランディングとしての地酒」に留まらず、「地域に支えられるとともに、地域を支えるものとしての地酒」というフレームが生まれ、また浸透しつつあるのが現在であると考えられます。例えば、日本酒の醸造に必要な器具を秋田杉で作るために研究所や林業関係者と連携したり(@新政酒造)、水質維持のために地下水の保全を行ったり(@伏見地域の酒造)という試みは、「地域に支えられるとともに、地域を支える日本酒」を示す事例としてあげられます。

しかし「日本酒と地域」の関係は、いまだ多くの場面で、ブランディングの文脈でのみ語られ、十分に広い視野のなかで扱われているとはいえません。

  1. ・日本酒と地域(場所)の結びつきはどのように正当化されるのか?
  2. ・国外で、日本酒と地域はどのように結びついているのか?(どのようにローカライズされているのか?)
  3. ・広く醸造学のなかで、地域との結びつきはどのように研究されてきた・語られてきたのか?
  4. ・地域計画のなかで、日本酒醸造はどのように位置づけられているのか?

……など、多くの論点が未検討のままとなっています。

これらの論点について、今回、日本薬科大学の北本勝ひこさん、日本酒コンシェルジュの江口崇さん、地球研プログラム1の増原直樹研究員を交えて意見交換をする機会を設けたいと思います。ご関心がありましたら、ぜひお気軽にご参加ください。

++プログラム++

  1. 13:30 開場
  2. 14:00 今回の勉強会の趣旨説明(太田和彦)
  3. 14:10 提題1「“酒縁”がとりもつ嗜好性の追究-会津地方における日本酒造りと消費を通じた関係の再構築-」(林耕次・太田和彦・嶋田奈穗子)
  4. 14:50 提題2「日本酒×エネルギー×林業=?新たな(超)学際研究の可能性」(増原直樹)
  5. 15:30 中間まとめ(太田和彦)
  6. 15:40 休憩
  7. 15:50 提題3「なぜいま『醸造の事典』なのか ― 醸造と地域をめぐる視座 ― 」(北本勝ひこ)
  8. 16:30 提題4「世界のSakeをめぐる旅 ― 台湾、メキシコ、ブラジル ― 」(江口崇)
  9. 17:10 休憩
  10. 17:20 トークセッション(モデレーター:林、記録者:太田)
  11. 18:00 閉会
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