- 日 時
- 2018年10月15日(月)10:00 - 12:00
- 場 所
- 総合地球環境学研究所 セミナー室1・2(⇒アクセス)
- 主 催
- 総合地球環境学研究所オープンチームサイエンスプロジェクト
- 報告者
- 太田和彦(地球研)
- コメンテーター
- 塩谷 賢(早稲田大学)
- ① 創造的行為(creation)はどのような開示性/開放性(openness)によって促進されうるのか。
- ② 開示性/開放性を促進させる創造的行為(creation)とはどのようなものなのか。
- 連絡担当者
- オープンチームサイエンスプロジェクト 近藤 康久
オープンサイエンスの大きな課題の一つに、必要な論文やデータの発見をどのように支援するか――課題解決に資するデータ、ワークフロー、分析・統合方法をどのようにデザインするか――という点があげられます。データを検索可能、アクセス可能、相互運用可能、再利用可能にするための基本原則はFAIRと呼ばれていますが(Wilkinson et al. 2016)、どのような公平性(fairness)が、創造性を高めるとともに、オープンサイエンスの賛同者においてふさわしいものとされうるのかという点に関する倫理学的分析は、まだ十分に行われていません。
例えば、研究成果を発信する条件が整っていても、使用者がそれを使用できる条件(物的なインフラに留まらず、前提知識の共有など)が整っていなければ意義ある資源にはなりません。そのため、研究成果のキュレーションが重要となるわけですが、“ご自由にお取り下さい形式”以上の労力を、誰が・どのような理由で・どの程度負担することが望ましいかについては議論が分かれるところでしょう。
この議論は現場ごとに進める必要がありますが、各現場に共通する下記の問いは、事前の検討に値すると思われます。
当日は、科学哲学会2018年度大会(10/13,14@立命館大)での研究報告をもとに、チーム内外での知の表現を促す動線をデザインすることが重要となる局面と、そのデザインに関する障害をどのように緩和するかという観点から、オープンサイエンスにおける公平性の倫理学的分析をご報告します。また、科学哲学と時間論がご専門の、塩谷賢さんにコメントをいただき、全体の議論に移りたいと思います。
※ 当日の議論は抽象度が高くなることが予想され、「知の表現を促す動線」のデザインそのものとしては不適当なことが多いと思われますが、あらかじめご了承ください。