【開催報告】第9回地球研東京セミナー
「地球環境と民主主義-人新世(Anthropocene)における学び」を開催しました

2018年1月27日、東京大学場キャンパス21KOMCEE Westにて、第9回地球研東京セミナー「地球環境と民主主義-人新世(Anthropocene)における学び」を開催しました。

今回は、「民主主義」を主なテーマとし、昨年度に引き続き、東京大学大学院博士課程教育リーディングプログラム「多文化共生・統合人間学プログラム(IHS)」との共催となりました。

今回のセミナーは、ポスター発表者が中心となり、地域から地球、環境と社会、これらの持続可能性をめぐる諸問題と民主主義の現状との間にどんな論点があるのか、民主主義の課題を乗り越えるにはどうしたらよいのか、一日かけて可能な限り具体的な方策を提案することを目標に開催されました。

午前中は、大学院生および地球研の若手研究者によるポスターセッションが行われました。始めに各ポスターの内容について発表者に質問することのできる時間が設けられ、その後に、梶谷真司氏(東京大学 教授・共生のための国際哲学研究センター(UTCP)センター長)、窪田順平(総合地球環境学研究所副所長)、阿部 健一(総合地球環境学研究所教授)から20件のポスター内容にかんして、研究の方向性や重要な論点についてのコメントがありました。続いて、各ポスターに潜む共通の視点と午後からのワークショップで議論すべき視点を4つのグループごとにディスカッションしました。

午後からのセミナーの第一部には、90名の方にお越しいただき、冒頭では、森山工氏(東京大学大学院博士課程教育リーディングプログラムIHSコーディネーター)および安成哲三(総合地球環境学研究所所長)による挨拶がありました。

その後、基調講演として國分功一郎氏(高崎経済大学経済学部准教授)が「環境問題と民主主義」と題して、吉野川可動堰建設計画問題や小平市都道計画問題などの実例を紹介し、環境問題への解決には専門家と市民の議論の積み重ねが大切であり、環境問題こそ民主主義が得意とする課題ではないかと発表しました。続いて話題提供として、熊澤輝一(総合地球環境学研究所 准教授)が「地域らしさの未来を考える-ともに作りともに使う未来デザインの〝型〟とは?」と題して、自らの研究フィールドのひとつである滋賀県高島市朽木や京都府木津川市での市民向けワークショップをはじめとした取り組みを紹介し、地域らしい未来とは何か、地域づくりのためにかかわる研究者に何ができるのかについて発表しました。

一部の最後には、大学院生や地球研の若手研究者によるポスターフラッシュ発表があり、各2分という短い持ち時間で自身の研究内容を紹介し、続く休憩時間での質疑応答につなげました。

第二部のワークショップでは、第一部に引き続いて國分氏、梶谷氏をはじめ東京大学UTCP/HIS研究員、地球研研究者らがファシリテーターとなり、大学院生および地球研の若手研究者に一般の方も加わり41名が参加しました。参加者は7つのグループに分かれ、午前からのポスターセッションや基調講演、話題提供を参考に、ポスターに関する疑問点、気になる点を洗い出し、環境問題や民主主義の課題について、乗り越えるために必要な仕組みや目標をどのように提案すべきか議論しました。各グループでの議論は、最後に全体で共有され、盛況のうちに閉幕しました。

■当日の様子

大学院生および地球研若手研究者によるポスターセッション

大学院生および地球研若手研究者によるポスターセッション

森山コーディネーターによる挨拶

森山コーディネーターによる挨拶

安成所長による挨拶

安成所長による挨拶

國分准教授による講演

國分准教授による講演

熊澤准教授による講演

熊澤准教授による講演

第一部 講演に聴き入る聴衆

第一部 講演に聴き入る聴衆

第二部 ワークショップで意見交換する参加者

第二部 ワークショップで意見交換する参加者

  • Page Top
  1. HOME
  2. 成果発信
  3. イベント
  4. その他イベント
  5. 【開催報告】第9回地球研東京セミナー「地球環境と民主主義-人新世(Anthropocene)における学び」を開催しました
大学共同利用機関法人 人間文化研究機構
総合地球環境学研究所

〒603-8047 京都市北区上賀茂本山457番地4

Tel.075-707-2100 (代表)  Fax.075-707-2106 (代表)

みんながわかるちきゅうけん