【開催報告】 第14回地球研地域連携セミナー 大分

「地域の未来可能性―農村に生きることの豊かさ」

2015年2月15日、大分県宇佐市にて、第14回地球研地域連携セミナー「地域の未来可能性―農村に生きることの豊かさ」を、国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会と共催しました。

地球研地域連携セミナーは、各地の大学・研究機関・行政等とともに、地球環境問題の根底を探り、解決のための方法を考えていくセミナーで、年に1~2回各地域で開催しています。14回目となる今回は、一昨年に世界農業遺産に認定された国東半島宇佐地域で、農村に生きることの豊かさと可能性を見つめ直すことをきっかけに、自然と向き合う大切さを再認識しながら地球環境問題を考えることを大きなテーマとしました。

開会式では、林 浩昭氏(国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会会長)による開会挨拶、太田豊彦氏(大分県副知事)、是永修治氏(宇佐市長)による来賓挨拶の後、阿部健一(地球研教授)による趣旨説明を行いました。

その後、清野聡子氏 (九州大学大学院工学研究院准教授)が「豊前の海民の『いのちき』が守る海川森」と題して、続いて、石川智士 (地球研准教授)が「エリアケイパビリティーサイクルとは!?―地域開発を見直す新たな考え方」と題してそれぞれ講演を行いました。

講演後のパネルディスカッションでは、国東半島で活躍する3名の“カリスマ”、中野伸哉氏 (イラストレーター・陶芸家・プロデューサー)、松岡勇樹氏(株式会社アキ工作社 代表取締役社長)、林 浩昭氏をパネリストに迎え、阿部健一教授がコーディネータを務めました。パネリストそれぞれの取り組みを紹介するとともに、“田舎”に暮らすことのメリット、デメリット、国東半島の魅力、地域開発・活性化について等、様々な角度から議論が繰り広げられました。

当日は140名の参加があり、「最新の研究や現場で活躍されている方々の話が聞けて大変参考になった」等多くのコメントが寄せられ、盛会でした。

国東半島は、「独特の風土と向き合いひたすら守り続けてきた伝統的な農林水産業の営み」が高く評価され世界農業遺産に認定されました。地球研では、地球環境問題を解決するためには人と自然がより良い関係を築いていくことが大切だと謳いそのための研究を進めていますが、国東の人々が守り続けてきたように、この、自然と「向き合う」という姿勢は重要だと改めて気づかされました。

これからも地域連携セミナーは日本中のあちこちで開催する予定です。お住まいの地域で開催された際には、是非足をお運びください!

■世界農業遺産とは・・・

社会や環境に適応しながら何世代にもわたり発達し、形づくられてきた農業上の土地利用、伝統的な農業とそれに関わって育まれた文化、景観、生物多様性に富んだ、世界的に重要な地域を次世代へ継承することを目的に、国連食糧農業機関(FAO)が2002年から開始したプログラムです。

(文責・管理部 本田智子)

■当日の発表資料はこちら(PDF)

■当日の様子

開会式の様子(中央が、太田大分県副知事)

開会式の様子(中央が、太田大分県副知事)

趣旨説明を行う阿部健一地球研教授

趣旨説明を行う阿部健一地球研教授

講演を行う石川智士地球研准教授

講演を行う石川智士地球研准教授

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

会場の様子

会場の様子


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