研究地

環境意識プロジェクトでは、主に以下の二つの研究地でフィールド研究活動を行っています。

  1. 北海道大学北方生物圏フィールド科学センター森林圏ステーション 雨龍研究林
  2. 京都大学フィールド科学教育研究センター森林ステーション 和歌山研究林

環境意識プロジェクトは、IDEAの構築にあたり、北海道にある雨龍研究林を含む朱鞠内湖集水域を実験地に設定しました。朱鞠内湖集水域に、森林伐採などの仮想環境改変シナリオを想定し、それらの環境の変化に伴う人々の意識の変化を社会調査アンケートから読み取ります。雨龍研究林では環境変化の指標となる水文・物質循環・植生などの自然科学データを収集しています。また、現地周辺の地域社会に関わる社会的背景を調査すると共に、住民の方を対象にアンケート、フォーカスグループセッションなどを行います。

IDEAを政策決定に資するツールとして完成度の高いものにするためには、仮想環境改変シナリオに対して現実に起こりうる結果を提示して人々の反応を見なければなりません。その為に、過去のデータにある環境改変とその結果から応答予測モデルを構築し、朱鞠内湖集水域の環境改変シナリオに対し、実際に起こりえる環境の応答を推測します。京都大学和歌山研究林では、応答予測モデルの中で、主に森林施業による環境の長期的変化を予測するモデル構築の為のデータ収集を行っています。

北海道大学北方生物圏フィールド科学センター森林圏ステーション雨龍研究林

場所:北海道雨竜郡幌加内町
雨龍研究林は、石狩川水系の一大支流である雨竜川沿い、豊かな水をたたえる朱鞠内湖を中心に東西30km、南北50kmの範囲で広がっています。この地域は日本を代表する寒冷地帯で、冬の気温は頻繁に-30℃以下まで低下します(最低気温は-41.2℃:1978年)。さらに雪の量も多く、毎年2m以上の積雪となります。  朱鞠内湖を囲む北部地域は新第三紀安山岩地帯で、天然の針広混交林が広がり、大陸を思わせるような景観を持っています。混交林で見られる樹木としては、アカエゾマツ、トドマツ、ミズナラ、カンバ類、ハルニレ、シナ、ヤチダモ等があり、特にミズナラの純林に近い林がいたるところに見られます。また、南部の雨竜川沿いは蛇紋岩地帯であり、アカエゾマツの純林となっています。 ( 北海道大学北方生物圏フィールド科学センターHPより抜粋)


雨龍研究林北東部から南西に朱鞠内湖を望む

リンク: 北海道大学北方生物圏フィールド科学センター森林圏ステーション

京都大学フィールド科学研究教育センター実験林

森林の発達段階を追うことができる人工林(試験地@)と潜在的植生であるモミ・ツガ林(試験地A)をもちいることにより、森林の成立に伴う物質循環機構の発達について考察を加える。

試験地1:奈良県十津川村民有林

場所:奈良県十津川村
面積: 約1000ha
年平均気温: 10-11℃
年降水量: 2400mm
標高: 860-1370m
十津川の源流
地質は、四万十累層群上野地層群南帯の砂がちな砂岩頁岩互層。
スギ人工林・80年伐期による経営。
1〜40年生の再造林地と87年生初期造林地が集水域ごとに隣接して存在。
集水域単位の皆伐施業(輪伐経営)。

各尾根を境界に集水域で、林齢が異なる

試験地2:京都大学和歌山研究林

面積:約 842 ha
標高:455〜1,261 m
年間平均気温:12.3 ℃
年間平均降水量:2369mm
積雪量:30cm未満
潜在植生:モミ・ツガ、ブナ、照葉樹
有田川の源流

リンク: 京都大学フィールド科学教育研究センター森林ステーション 和歌山研究林


Copyright © 2005 Research Institute for Humanity and Nature. All rights reserved.
Jump to RIHN Home