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PAGES: 古環境の変遷研究計画(Past Global Changes)
PAGESは、IGBPの中でも、最初から続いている最も息の長いプログラムの1つであり、古気候・古環境研究という、それ自身、極めて多分野に跨る研究分野の間で、一貫して、多分野横断型の国際共同研究を推進する先頭に立ってきた。 具体的には、毎年、PAGESとして、古気候・古環境研究に関連した分野横断型の重要なトピックスを選定し、Working Groupを組織(例えば、2011年は、「太陽 活動」、「海氷」に関するWGを新設)して、Workshopを次々と開催し、共同研 究の推進の先導役を果たすと共に、国際コミュニティ-からの自発的な workshopの企画提案を、財政的にサポートしたりしてきている。日本が直接関係するWGとしては、IPCC AR5に向けて、世界の過去2千年間の気候変動の実態を、できるだけ時空間的に詳細に取りまとめる、2k networkの取り組み(世界 を8つの地域に分割したもの)があり、私自身、そのAsia版(Asia 2k)の取り組みの責任者を務めている。

一方で、古気候・古環境研究で扱う問題の多くは、現在起きている環境問題と は異なり、現在の社会の中に直接利害関係を持つstakeholderを有しないため、 3月のESSPのロンドン会議で示された、Future Earthの方向性については、どの ように適応していくべきか、難しい面があると感じているSSC委員も多い。 Future Earthでは、同一の問題に関わる異なるstakeholder間での議論から、まず研究の方向性を導き出していく、と言う、それ自身は大変画期的な方向性が示されていると思われるが、PAGESのような時間スケールの長い問題を扱うプログラムについては、その研究の方向性の認定や予算確保の仕方について、特段の配慮を希望したい。

日本国内でのPAGES関連の研究は、極めて活発に行われている。日本では、 JAMSTECが中心となって進めている統合海洋掘削計画(IODP)の元に、非常に多くのPAGES関係者が組織されていて、若手も含む研究のアクティビティーは非常に高い。地球惑星連合大会における、横断型のセッション(今年度からは、古気候・古海洋セッションと言う形で、複数のセッションの全体を統合)の開催など、関連する学会での活動も盛んであるが、これまで分野・手法毎、或いは 時代毎に分断されていた、PAGESが網羅するさまざまなスコープの研究を一同に 取りまとめる形で、(仮称)「日本パレオ学会」(正式名称は検討中であるが、「地球環境史学会」のようなものになることが予想される)が、発足する予定である。PAGES自身も、学術会議のPAGES小委員会が中心となって、数年来、メーリングリストの活動を続けてきており、こうした取り組みの下支えを してきた実績がある。