岩波書店・雑誌「科学」に羽生淳子の寄稿論文が掲載されました。
プロジェクトメンバーのBarbara Rose Johnston氏(米国、政治生態学センター&ミシガン州立大学)による論文の和訳を公開いたしました。
2016年の7月に開催した「小規模経済研究会」にて、Sarick Matzen氏による講演および質疑応答のまとめを公開いたしました。
同志社大学歴史資料館 館報にプロジェクトリーダー 羽生淳子による講演<「縄文貝塚研究」と酒詰仲男>が掲載されました
第四紀研究にプロジェクトリーダー 羽生淳子の論文が掲載されています
-地球研ニュースレター No.62「私と地球研―リーダーのまなざし③より-」
羽生 淳子
私の専門は縄文時代の考古学である。考古学とは、遺跡に残された物質文化(遺物)から過去の人々の暮らしを推測し、それにもとづいて文化や社会の変化のプロセスを考える学問である。しかし、発掘された遺物だけからでは、それを使っていた人たちの生活や行動はわからない。遺跡や遺物を解釈するためには、考古資料と人びとの生活とをつなぐモデルが必要になる。 このようなモデルの構築にあたっては、生物学など他分野のモデルを借用したり、民族誌の事例を参照しながら、物質文化と人々の行動との間の相関関係を推測したりする。この意味で、考古学は、学際研究(他分野の研究者との共同研究)が不可欠な学問である。
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「在来知と環境教育」研究会では、過去2年間にわたり、「ヤマ・カワ・ウミに生きる知恵と工夫-岩手県閉伊川流域における在来知を活用した環境教育の実践-」と題したテーマのもとに、岩手県の閉伊川流域を中心として調査・研究を進めてきました。研究のキーワードは、在来知、文化・社会のレジリエンス(回復力)、環境教育の3つです。
第1部では、閉伊川流域のヤマ・カワ・ハマの各地域について、在来知と人々の記憶や生活に関わる研究と、環境教育の成果について紹介します。
第2部では、比較研究として、岩手県浄法寺と福島県内で行った聞き書き調査の成果を発表します。
これらの研究の成果を通じて、在来知が流域の環境保護に果たす役割を再評価するとともに、在来知が、東北における大震災からの地域社会の復興にどのような役割を果たし得るのかを考えます。
詳細はチラシをご覧ください。
日時:2016年12月17日(土)13:00-17:00
場所:東京海洋大学 越中島キャンパス 越中島会館
無料・要申込み
8月に京都で開催され、羽生リーダーはじめプロジェクトメンバーが参加したWAC(世界考古学会議)の記事が掲載されました。
プロジェクトも徐々にまとめる時期となりました。各班のプロジェクトメンバーが進捗状況を発表し議論を交わしました。
地球研・小規模経済プロジェクトでは、そのサブ・プロジェクトのひとつとして、福島県内における小規模農家のインタビューを中心に、東日本大震災と福島第一原発事故後に小規模コミュニティが直面している困難とその対応について聞き取りを進めてきました。今回、プロジェクトメンバーのバーバラ・ローズ・ジョンストン博士が来日するに際し、マーシャル諸島での比較研究を含めたこれまでの研究成果の発表をかねて、中原IS(「放射能汚染地の暮らしの再生-異なる立場の相互理解を目指して」)と合同で、下記の研究会を開催します。
【日時】2016年8月31日(水) 13:00 - 17:00
【場 所】総合地球研環境学研究所 セミナー室3・4
アクセス
【主 催】総合地球環境学研究所 小規模経済プロジェクト & 中原IS
【言 語】英語 *逐語通訳あります
【連 絡 先】総合地球研環境学研究所 小規模経済プロジェクト 竹原
スケジュール
13:00 - 13:30
はじめに ―核被災と小規模コミュニティ―
羽生淳子(地球研&カリフォルニア大学バークレー校)
13:30 - 14:30
故郷を拒否して「故郷」を創る―食で暮らしを立て直すロンゲラップの人々―
中原聖乃(中京大学)
14:30 - 14:45 休憩
14:45 - 15:45
環境・健康・人権―マーシャル諸島における今なお続く困難とその対応―
バーバラ・ローズ・ジョンストン(米国、政治生態学センター& ミシガン州立大学)
15:45 - 16:00 休憩
16:00 - 17:00 総合討論
四季折々の山の幸に恵まれた北上山地、閉伊川流域。
この地域の自然を、人々は巧みに生活や食に取り入れてきました。
写真家、稲野彰子さんの写真展示を中心に、この地域の「ヤマの宝」を探ります。
また、伝統的保存食「凍みイモ」(冷凍・乾燥したジャガイモ)、雑穀類の現物展示や、発展学習として北米ネイティブ・アメリカンのドングリ食に関する写真展示もあります。
主催: ニッセイ財団環境問題研究助成「ヤマ・カワ・ウミに生きる知恵と工夫」研究グループ
共催:総合地球環境学研究所
<第1回>
開催期間:7月29日(金) 12:00-16:00
開催場所: 薬師塗漆工芸館(岩手県宮古市川内8-8-1)
<第2回>
開催期間:7月31日(日) 9:30-16:00
開催場所: リアスハーバー宮古1F(岩手県宮古市神林9−1)
問い合わせ先
総合地球環境学研究所 小規模経済プロジェクト
羽生(075-707-2370)、真貝(075-707-2215)
小規模経済プロジェクトで取り組んでいるひとつに、土壌汚染の対応策のひとつとして、シダを使ったヒ素除去による土壌修復の研究があります。小規模経済プロジェクトメンバーでカリフォルニア大学バークレー校のSarick Matzen氏が講演を行いました。少人数でしたが、多角的な視点から質問が飛び交い充実した研究会となりました。
☆ 講演録を更新しました(2017.2.17)
地球研では、カリフォルニア大学バークリー校教授ミゲール・アルティエリ氏を招へいし、2016年5月13 日と30日には、地球研セミナーを開催すると共に、5月20~22日には、プロジェクト主催で短期実習コースとワークショップを開催しました。
また、5月16日には国際基督教大学で、5月25日には京都大学で関連イベントを共催しました。アルティエリ氏と奥様のクララ・ニコルズ氏は、兵庫県立コウノトリ郷公園と近辺の有機農家、埼玉県小川町霜里農場における有機農業の取組み等の視察も行ないました。
両氏の滞在中、アグロエコロジーとは何か、その核にある主権(sovereignty、尊厳ある人間の権利回復という意味合い)という概念をどのように考えるかについて、各イベントの参加者と、プロジェクト・メンバーとの間に、活発な議論が交わされました。
これらの議論を通じて、伝統知と科学知の接点を軸として、プロジェクト内における、有機農業をはじめとするオルタナティブな食料生産活動の研究、先住民族コミュニティの研究と農村コミュニティの研究を統合の見通しが大きく進展しました。詳しくは、今回の一連のイベントの成果として作成した2016年京都アグロエコロジー宣言をご覧下さい。
世界的に土壌汚染が深刻化する中、植物除染が新たな対応策として注目を集めています。日本でも、2011年の東日本大震災からひまわりによる植物除染が広く導入されてきました。小規模経済プロジェクトでは、土壌汚染の対応策のひとつとして、シダを使ったヒ素除去による土壌修復の研究に取り組んでいます。今回、その研究を進めている小規模経済プロジェクトメンバーでカリフォルニア大学バークレー校のSarick Matzen氏が講演を行います。シダに秘められた力とは?ご興味のある方は、ぜひご参加ください。
日時:7月1日(金) 15:00~16:30 (講演45分+質疑応答)
会場:セミナールーム3, 4
発表者:サリック・マッツェン (カリフォルニア大学 バークレー校)
使用言語: 英語(日本語逐次通訳あり)
共催事業としてアイヌ民族博物館(北海道)で行われた、考古学者のデール・クロース先生と、Suquamish族のバスケット製作の匠エド・キャリアさんを招いたワークショップの様子が、2016年5月15日付の岩手日報に掲載されました。
アグロエコロジー(農業生態学※)の提唱者であり、「小規模経済プロジェクト」のメンバーとして有機農業とコミュニティ菜園活性化の研究を 進めているアルティエリ氏が、地球研外国人招へい研究員として5月に来所し、地球研セミナーと短期実習コースを行うとともに、プロジェクトの ワークショップで基調講演を行います。また、地球研と共催で国際基督教大学と京都大学でも講演を行います。詳しくは、ポスターをご覧ください。
「過去の文化がどのように現代に伝えられてきたか?」「また私たちはそこから何を学べるか」という視点のもと、北米北西海岸の低湿地遺跡出土のバスケットと、現代に残るバスケット製作の伝統について、考古学者のデール・クロース先生と、Suquamish族のバスケット製作の匠エド・キャリアさんより、お話いただきます。講演後エドさんは、シダーの樹皮を使ったバスケットの製作実演もみせてくださいます。
また地球研より、羽生淳子リーダーと、プロジェクトメンバー内藤大輔さんも、「伝統知の復興とその意義」「持続可能な森林利用」という切り口で、講演を行います。
「ネイティブアメリカンのバスケット-伝統をつなぐ-」
主催:アイヌ民族博物館 共催:総合地球環境学研究所
日時:2016年5月11日(水)13:00~16:00
場所:アイヌ民族博物館 体験学習館 (北海道白老郡白老町若草町2−3−4)
講演Ⅰ 「過去の文化と伝統をつなぐ」 講師:羽生淳子(地球研)
講演Ⅱ 「北米北西海岸セイリッシュ海域におけるバスケット製品の復興−文化的・科学的視点による50年間の歩み−」
講師:デール・クロース(Dale Croes:ワシントン州立大学)、エド・キャリア(Ed Carriere:アメリカSuquamish族のバスケット製作の匠)
講演Ⅲ 「北海道における森林認証制度の導入と慣習的な森林利用」 講師:内藤大輔(地球研)
実 演 「バスケット作製技法の実演及び製作体験」 講師:エド・キャリア
プロジェクトリーダーの羽生淳子の研究活動が、京都新聞の「探求人」で紹介されました。
プロジェクトメンバーのダニエル・ナイルズ氏(地球研准教授)がコーディネーターを務め、Workshop on Co-evolutionary Perspectives on the Anthropocene 「Does everything change? Conceptualizing the persistence of human-environmental knowledge through time, objects, and landscapes」を実施しました。
ゲストに、アリゾナ州立大学教授のSander Van Der Leeuw氏、フランス国立科学研究センターのBenoit Hazard氏、地球研客員教員の寺田匡宏氏を招き、トークとディスカッションを行ないました。アンソロポシーンと持続可能性について、”Whole Relationality(総括的な関係性)”を維持しながら、どのようにアプローチを進め、課題に取り組むべきか熱い議論が交わされました。
プロジェクトメンバーのダニエル・ナイルズ氏(地球研准教授)がコーディネートをつとめるワークショップです。Anthropocene= 人類が優占する新たな地質年代(『nature』より)における変化を私たちはどう理解すれば良いのか、という問いかけの下、ゲストを招きトークとディスカッションを行います。(使用言語:英語)
[Workshop]
Conceptualizing the persistence of
human-environmental knowledge
through time, objects, and landscapes
[日時] 2016年2月23日(火)14:30-17:00
[場所] 総合地球環境学研究所