| 目的 |
生態史クロニクルの構築のためのひとつの方法として、新聞データを利用するという考えから本作業は開始しました。生態史の考え方として、自然と人間との相互作用とその歴史、生業複合・資源管理・栄養と健康に注目、外部要因(社会経済、政治など)と自然要因(災害、異常気象)の複合が挙げられます。そのデータの収集と解析のために、村落のエスノ・ヒストリー、個人のライフ・ヒストリー、新聞、碑文・地方志を利用します。なかでも新聞データの利用は、いうなれば現代の考古学であり、そこに記載されている日常的な状況を蓄積することによって、大状況に繋げていける方法といえます。1950年から現在までの「雲南日報」を資料とし、環境・生態に関わる記事を選び出し、データベース化し、生態史プロジェクトのメンバーが利用できるようにするというのが本作業の目的です。 |
| 現在の状況(2004年10月時点) |
本年度は各『地方志』(省志、州志、県志、雲南年鑑等)の収集と、そこに記載されている「大事記」をデータ化することで、まずは県レベルでの大枠を押さえることになりました。ただし多くの県志が1980年代〜1990年代に出版されているため、1990年以降などのより詳細なデータは次年度より「雲南日報」を利用してデータ化する予定です。 |
| 活動経緯(2004年) |
3月…雲南大学側から「雲南日報」(2004年1月〜3月15日の本紙と1950〜52年のコピー)を受け取る(秋道、阿部、西村) |
| 雲南日報研究会 | 日時、場所:2004年9月16日・東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
参加者:秋道智彌(地球研教授) クリスチャン・ダニエルス(東京外大AA研教授) 清水享(日本大学非常勤講師) 立石謙次(東海大学研修員) 西川和孝(中央大学博士課程) 増田厚之(東海大学修士課程) 高須由美子(東京外大博士課程) 田口理恵(地球研技術補佐員) 宮脇千絵(地球研) 敬称略
プログラム: 14:00〜 ?@ダニエルス歴史班、作業についての説明(ダニエルス教授) 15:00〜 ?A生態史クロニクルの構築と雲南日報データの活用について(秋道教授) 15:30〜 ?B雲南日報データ入力について(宮脇) 16:00〜 ?C質疑応答、打ち合わせ
?@ダニエルス歴史班、作業についての説明(ダニエルス教授) ダニエルス歴史班は、14世紀〜20世紀(19世紀末)の間について、碑文と地方志から雲南省元江以南における生態史をさぐることを目的としています。碑文からは人口データや開発の記録などが、地方志からは人口、土地面積データ、自然災害の記録などを読み取ることができます。 ?A生態史クロニクルの構築と雲南日報データの活用について(秋道教授): プロジェクトの各班の研究・活動内容について説明があり、各班のディシプリンの複合を実証化する方法として、新聞データ利用の有効性について説明がなされました。新聞に記載されている日常的な状況が、本プロジェクトの研究対象とするラオス、雲南、タイ北部を結ぶ大状況へと繋がります。 ?B雲南日報データ入力について(宮脇)と打ち合わせ内容: 当初の構想として、雲南日報の整理、該当記事の選び出し、データ入力(中国語)を中国側の作業メンバーが行い、日本側の作業メンバーそれに日本語訳をつけてデータベース化するということがあった。しかし、OSや日中間のデータのやり取りなどに問題があるため、また日中間の記事選択の問題意識のズレを少なくするため、中国側では、記事の選択とコピー、インデックス作成のみをすることとなった。 |
| 雲南日報データベース研究会 |
日時、場所:2004年9月27日・総合地球環境学研究所 参加者:秋道智彌(地球研教授) 久保正敏(民博教授) 兼重努(滋賀医科大学教授) 西村雄一郎(地球研非常勤研究員) 宮脇千絵(地球研) 敬称略 議論内容: ?@これまでの作業状況と今後の予定の確認 ?A雲南日報研究会の報告: 雲南日報研究会でも議論となった、50年間の雲南日報データを扱うことの時間的限界や、キーワードによる記事選択の不安定さについてさらなる話し合いがなされた。そこで、まずは歴史の大枠から押さえていくという提案がなされる。その方法として、省志、市志、県志などの地方志に記載されている「大事記」から、災害、気象などの環境・生態に関する記載を取り上げデータ化する。ただ県志の多くが1980年代から1990年代に出版されているため、1990年代以降のデータについては雲南日報を利用する。 |