・病気や安全に関する情報

 調査地では,健康管理と身の安全管理が大切です。このプロジェクトの研究対象とする地域では,さまざまな伝染病が発生しやすく,また,病気や事故の際の病院の体制など万全でないところも多くあります。みなさんで自覚をもつとともに,下記の情報源を参考に,自らの対策と万一の場合の対処に仕方を確認してください。

ラオスでは,以下の病気が心配されます。

食べ物・水から感染する病気

虫が媒介する病気

その他の疾患

○腸チフス、パラチフス

○マラリア

○B型肝炎

○A型・E型肝炎

○デング熱

○狂犬病

○コレラ、赤痢

○日本脳炎

○エイズ

○食中毒

○フィラリア症

○破傷風

○寄生虫疾患

○リーシュマニア症

(厚生労働省ホームページによる)

1)ホームページ

海外渡航および海外医療関係の情報については下記のホームページが参考になります(富田さん他の情報による)。

(1)一般的渡航情報など

 外務省関係のホームページをみると「渡航関連情報」の項に海外医療情報、海外危険情報など、必要な情報が見られるようになっています。

外務省ホームページのインデックス

 http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/index.html

JICAの任国情報

 http://www.jica.go.jp/ninkoku/index.html

(2)海外医療情報

上記外務省のホームページのほかに、下記のものがあります。

厚生労働省の「海外渡航者感染症情報」

 http://www.forth.go.jp/から「国別情報」へ進んで、ラオスの感染症の一覧をみることができます。

WHOの情報

 http://www.who.int/csr/don/en/

国際感染症臨床情報

 http://www.sapmed.ac.jp/~isogaih/infect/から「国別インデックス」へ進んで、ラオスの感染症一覧と、それぞれの説明を閲覧できます。

日本寄生虫学会のホームページ

 http://jsp.tm.nagasaki-u.ac.jp/~parasite/welcome-2.html

から「寄生虫症検査案内」をクリックして下さい。

国立感染症研究所 感染症情報センターのホームページ

 http://idsc.nih.go.jp/index-j.html

JICAラオス事務所医療情報HP

http://www.jica.go.jp/laos/japan/clinic.html

一般海外渡航者向け情報

http://malaria.himeji-du.ac.jp/IPublic/malaria-net-j/travelers.html

また、姫路獨協大学のマラリア情報ネットワークのホームページからも海外の健康情報にアクセスができます。

 http://malaria.himeji-du.ac.jp/IPublic/malaria-net-j/home.html

2)海外健康関係の図書

(1) ASAFAS学生便覧の臨地研究マニュアルの,渡航情報・情報ソース・健康管理情報などが参考になります。

(2) WHO(マラリア情報ネットワーク訳)「海外旅行と健康」(法研)絶版

日本語版付録には、海外医療状況に関する情報ソース、及びマラリアなどの熱帯病を扱っている国内の医療機関リストがついています。

http://malaria.himeji-du.ac.jp/IPublic/ITH/index.htmlにて2001版が参照できます。

(3) 三好寿秋「海外健康ハンドブック」(トラベル・ジャーナル社)絶版

(4) 鈴木良平「海外で生活している・しようとしている邦人のために」『海外学術調査ニュースレター』37号(1997年12月)

*上記図書は、京都大学東南アジア研究センター専攻事務室に備えられています。各自で参照してください。

3)予防接種

おもな伝染病予防接種は以下の通りです。

種類(接種回数) 1回目と2回目の間隔 1回目と3回目の間隔 追加接種
コレラ(2回) 5〜7日 6ヶ月ごと1回
破傷風(3回)     3〜6週 6〜18ヶ月 8〜10年ごと1回
狂犬病(3回) 3〜4週 6ヶ月 2年ごと1回
日本脳炎(3回) 1〜2週 1年 3〜5年ごと1回
A型肝炎(3回)    
   γグロブリン
2〜4週
6〜12ヶ月
5年ごと1回
3ヶ月ごと1回
B型肝炎(3回) 3〜4週 6ヶ月 2年ごと1回

大阪国際空港メディカルセンター資料(99年1月改訂)による

海外旅行と健康2001 (WHO)の目次ページ

http://malaria.himeji-du.ac.jp/IPublic/ITH/CONTENTS.htmlから「各国の要求する予防接種証明書とマラリアの状況」を参照。

予防接種の情報

http://malaria.himeji-du.ac.jp/IPublic/malaria-net-j/vaccination/home.html

海外渡航時予防接種

http://www.toyonaka.osaka.med.or.jp/4-hoken/yobo/yobou-snotakaigaitokou.html

4)マラリアの予防について

マラリアに関する情報

姫路獨協大学のマラリア情報ネットワークのホームページ

http://malaria.himeji-du.ac.jp/IPublic/malaria-net-j/malaria/home.html

その他,ハマダラカでも検索下さい。

マラリアの検査キットもでています。現在問い合わせ中です。

*以下の情報は,金子明氏(東京女子医科大学)の口頭発表をまとめたものです。くれぐれもみなさんご自身で対処法を考えてくださいますようお願い申し上げます。

マラリアはハマダラ蚊によって媒介されます。

ハマダラ蚊の特徴として,尻を上げて刺す,羽にマダラ模様がある点があげられます。

ハマダラ蚊は夜(日暮れから夜明け)に刺します。

野営や民泊をする際には十分ご注意下さい。長袖長ズボン,虫除けスプレー,蚊帳,蚊取り線香が有効です。

マラリアに対処するには,

@       刺咬を防ぐ

A       正しい予防内服(耐性と副作用に注意)

B       スタンバイ治療

はあります。

予防内服として

1)クロロキン週1回2錠+プログアニール毎日2錠

2)メフロキン週1回1錠

3)ドキシサイクリン毎日1カプセル

があります。現地の薬局でお問い合わせの上,市販薬を所定の用法で服用下さい。

スタンバイ治療

マラリアにかかったかなという時に,医療空白期間への対処として,携帯している治療内服薬によって,自己の判断で行います。

ただし,スタンバイ治療は1回しかやらないこと!治療を行って12時間経過しても熱が下がらない場合,再度治療薬を服用することはやめましょう。

めやすとしては,マラリア地帯で体温38度以上になったらその疑いがあります。日射病とは区別が付きません。

マラリアは7〜10日が潜伏期間です。

治療薬として

日常の予防薬と治療薬は別のものを用いるのがよい。副作用があるので十分注意してください。

クロロキン 合計1500mgになるように 1日目 4錠 2日目4錠 3日目2錠

ファンシダール 3錠1回

メフロキン 4錠1回

ハルファンドリン 治療薬として良いが心臓血管系への副作用が強い。スタンバイ治療には適さない。

2度目に熱が出たときには,即刻病院へいくようにしましょう。

5)緊急時の現地連絡先

在ラオス大使館(Embassy of Japan)

 Rd., Sisangvone, Vientiane

 Tel +856-21-41-4400〜4403 Fax +856-21-41-4406

ここに掲載した情報につきまして,修正すべき事項,追加事項などございましたら,総合地球環境学研究所・野中健一(nonaka@chikyu.ac.jp)までお知らせ下さい。