NIHUエコヘルス

アジアにおける「エコヘルス」研究の新展開

NIHUエコヘルス

本研究は、第3期中期目標・中期計画において人間文化研究機構が推進する広領域連携型基幹研究プロジェクトの一環として、総合地球環境学研究所、国文学研究資料館、国立民族学博物館および国内外の大学・研究機関の研究者が参画し、連携して研究を行なうものです。

昨今のエボラ出血熱、ジカウィルス感染症の拡大に見られるとおり、WHO(世界保健機関)などによる世界的な取り組みにもかかわらず、感染症の脅威は依然として存在しています。経済・社会のグローバル化と人為的な環境改変が進行するなかで、その脅威はむしろ増大しており、これまで行なわれてきた感染症を引き起こす病原体を封じ込めるといった対症療法だけではなく、人間社会と病原体との共生を含めた、人類の健康と環境のあり方の長期的な未来像を考える必要があります。

アジア社会における人びとの健康をめぐる状況はさまざまです。経済発展途上の地域では、「二重負担」、すなわち従来の感染症と現代的な生活習慣病が同時に存在しています。中国など急速な経済発展が進む地域では、工業化・産業化に起因する汚染による健康被害が問題化される一方で、近代的ライフスタイルに起因する生活習慣病が顕在化しつつあります。日本などの先進地域では高齢化が進むなかで、人びとの健康と医療との関係が問い直されつつあります。こうした状況にある今こそ、「健康である」ということ、あるいは「生きること」の意義といった根源的な問いかけが必要です。

本研究の目的は、「人の健康」を日常の暮らしや生態環境、生業との関わりのなかで考える「エコヘルス」の概念を、人文学の視点から再構築することです。具体的には、急速な社会変容、環境変化が進むアジア地域を対象に、その歴史的・文化的背景に注目しながら、人びとの健康と環境との関係について考察しています。

2016年度は、フルリサーチの初年度として、総合地球環境学研究所、国文学研究資料館、国立民族学博物館の研究者らは、国内外の大学・研究機関との連携を図り、健康観、養生の歴史、国際エコヘルス研究の動向をめぐる国際集会を開催するとともに、日本、中国海南省、雲南省、ラオスなどの地域でフィールド調査も展開してきました。2017年度以降、研究成果のまとめと出版、健康転換の段階の異なる対象地域における生態系と健康・健康観・住民の健康実践をめぐるフィールド調査、国際共同研究の企画と実施などを通して、アジアエコヘルス研究ネットワーク形成取り組んでいく予定です。

「エコヘルス」をテーマとした日独学術コロキューム(2017年1月)

「エコヘルス」をテーマとした
日独学術コロキューム(2017年1月)

中国海南省疾病予防管理センターにて開催の「エコヘルス講座」(2017年2月)

中国海南省疾病予防管理センターにて開催の
「エコヘルス講座」(2017年2月)

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