「CMAQ輸送モデルを用いた最近のアジア域の濃度変化の解析」

鵜野 伊津志(九州大学応用力学研究所)

 最近のアジア域の濃度変化の特徴を、鵜野ら(2005;大気環境学会誌4号)に報告された領域気象モデルRAMSと連携したCMAQを用いて解析した。 RAMSの境界条件としてはNCEPの再解析データ(2.5度、6時間毎)を用い、CMAQはVersion 4.4を用いた。モデルの計算領域はアジア域であり、水平格子80km、発生源データは、大原らのFRCGC/NIES/RIHN発生源インベントリーを 用いた。計算は1995年1月1日から2004年12月31日まで、毎年1月1日を同一の初期濃度条件で行った。CMAQの外側境界流入濃度はSudo et al. (2002)の全球化学輸送モデルCHASERの月平均濃度を時間内挿して用いた。モデルの検証と濃度変動の解析のために東アジア酸性雨モニタリングネッ トワーク(EANET)から利尻、竜飛、佐渡、隠岐、沖縄、小笠原を、WMO/GWAから与那国、綾里でのO3とCOの観測の日平均値を用いた。
 本日は、オゾンの濃度変動の特徴と、GOMEによるNO2カラム濃度との比較、オゾン濃度の将来の変化予測などについて報告する。