2013年10月13日(日)
新潟県佐渡市金井能楽堂にて連携研究「自然と文化」佐渡研究会を開催。行政関係者、地域住民、研究者等約100名が参加した。
 
 
spacer














ちらし(PDF)をダウンロードする
   
〈趣   旨〉
   「島」といえば、資源が限られ貧しいというイメージがある。「離島」という言い方が示すように不便な場所だと思っている。でも本当だろうか。
   佐渡のあちこちを訪ね、さらにその歴史をひも解いてみると、むしろ島は豊かでないのか、と思う。米の自給率500%と聞く。暖流のおかげで竹も育ち、北海道の開拓時には建築資材として大量の竹を供給していた。食材も多様で、食事も楽しみだ。能がこれほど親しまれているところはないだろうし、勇壮な鬼太鼓は世界中の人を集める。佐渡は、むしろ、豊かな自然に恵まれ、たたなわる歴史と文化に満ち、濃密な生活時間が流れているように思う。
   島が生活しにくい、と思ってしまうのは、今の日本社会のシステムのせいでないか。貧しいと思ってしまうのは、物質的豊かさのみを尺度としているからでないか。
   「豊かさとは何か」が、今世界中であらためて問われている。ひとつの価値観とそれを強いるシステムに対する疑問がその背景にある。島には島の豊かさがある、ことを議論したい。

〈プログラム〉

司会:山泰幸(関西学院大学教授)

13:00            主催者挨拶・趣旨説明
 阿部健一(研究代表者)

<第1部 研究者による報告>
13:15-13:45   「佐渡の〈豊かさ〉とは何か: 民俗学の観点から」
門田岳久(立教大学助教)
13:45-14:15   「佐渡と文化・社会運動: 観光と芸能の境界線から地域振興を考える」
杉本浄(東海大学専任講師)・小西公大(東京外国語大学特定研究員)

<第2部 佐渡市からの報告>
14:15-14:45   「世界農業遺産(GIAHS)を活用した島づくり」
渡辺竜五(佐渡市農林水課課長)
14:45-15:15   「能登との交流から佐渡のGIAHSを知ろう」
新潟県立佐渡総合高等学校生徒

<第3部 パネルディスカッション>
15:25-15:35   話題提供1 「“善知鳥”の謎—伝説と灯籠系山車の文化をたどる—」
小松和彦(国際日本文化研究センター所長)
15:35-15:45   話題提供2 「離島から日本の未来を考える」
髙野 宏一郎(前佐渡市長)
15:45-16:05   話題提供3 「ことばは文化。消えゆく方言について。」
木部暢子(国立国語研究所副所長)
16:05-16:55   パネルディスカッション
髙野宏一郎、渡辺竜五、門田岳久、小松和彦、木部暢子
16:55-17:00   クロージング(閉会の挨拶)



カテゴリー
▶挨拶・趣旨説明
阿部健一(総合地球環境学研究所)


▶挨拶 髙野 宏一郎(前佐渡市長)


▶第1部 門田岳久(立教大学助教)
「佐渡の〈豊かさ〉とは何か: 民俗学の観点から」


▶第1部 杉本浄(東海大学専任講師)
「佐渡と文化・社会運動: 観光と芸能の境界線から地域振興を考える」


▶第1部 小西公大(東京外国語大学特定研究員)
「佐渡と文化/社会運動:観光と芸能の境界線から地域振興を考える 」


▶第2部 渡辺竜五(佐渡市農林水課課長)
「世界農業遺産(GIAHS)を活用した島づくり」

▶第2部 新潟県立佐渡総合高等学校生徒
「能登との交流から佐渡のGIAHSを知ろう」


▶第3部 小松和彦(国際日本文化研究センター所長)話題提供1
「“善知鳥”の謎—伝説と灯籠系山車の文化をたどる—」


▶第3部 髙野 宏一郎(前佐渡市長)話題提供2
「離島から日本の未来を考える」


▶第3部 木部暢子(国立国語研究所副所長)話題提供3
「ことばは文化。消えゆく方言について。」


▶第3部パネルディスカッションの様子